福井駅東アリーナ構想、地元住民「できてほしい半分、ほしくない半分」 にぎわい期待の一方で不安も

アリーナ整備構想の候補地となっている福井市東公園=6月7日、福井県福井市豊島2丁目

 JR福井駅周辺のにぎわい創出に向け、福井県の福井市東公園(豊島2丁目)を候補地にアリーナ整備構想が進んでいる。地元旭地区の住民からは「駅東側もにぎやかに活性化してほしい」と期待の声が上がる一方、「景観が一変するし、環境がどう変わるのか心配」と不安も漏れる。

 2024年春の北陸新幹線県内延伸後を見据えた駅周辺のにぎわい拠点として昨年11月、アリーナ構想が明らかになった。県と市、福井商工会議所による「県都にぎわい創生協議会」は26年春頃の開館を目指すとしている。旭地区では今年3月以降、自治会連合会長らを対象にした説明会が数回開かれたという。

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 「あまりスポットが当たっていない駅東が活性化する契機になるのでは」と話すのは手寄自治会連合会長の西村長三さん(68)。人の交流が増え、にぎわいが生まれることを期待しているという。「駅と東公園を結ぶ動線となる通りも含め、にぎやかな場所になってほしい」と話す。

 東公園がある豊島自治会連合会長の濵端俊行さん(68)は「できてほしい半分、ほしくない半分」と複雑な思いを口にする。地元が望む公園機能の維持や、駐車場不足にも不安を募らせる。さらに「アリーナ完成後は夜も人が集まったり、ごみを道端に捨てたりすることもあるのではないか」と懸念。着々と構想が進んでいく現状に「『候補地』とはいっても東公園以外の場所はあるのか。実現した場合、環境がどう変わるのか分からず怖い」と悩ましげに話した。

 日之出自治会連合会長で、旭地区自治会連合会長の水野新一さん(73)は「駅東のにぎわいづくりになる」と前向きに捉えている。一方で「地区内外の人の憩いの場になっている公園なので、機能をしっかり残してほしい」と注文した。  

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