ダム建設「揺れる地域」描く 長崎県内上映会の主催者募集 プロデューサー矢間さん

© 株式会社長崎新聞社

「ダム問題について考えるきっかけにしてほしい」と語る矢間さん=長崎新聞社

 ダム建設に揺れる地域を取材した長編ドキュメンタリー映画「悠久よりの愛 脱ダム新時代」の上映委員会が、長崎県内各地で自主上映会を開く主催者を募っている。東彼川棚町に計画されている石木ダムなど全国6カ所を取り上げ、昨年1月に完成。自然と人との共存を模索した。プロデューサーの矢間(やざま)秀次郎さん(82)=東京都在住=は「ダム問題や国土保全について考えるきっかけにしてほしい」と語る。
 矢間さんによると、国内ではこの120年の間に、利水、治水などを目的に全国で2700基を超すダムが造られた。その一方で、近年の豪雨などに対応できないケースもあり、安全神話が揺らいでいるという。
 6カ所のうち、熊本県・球磨川水系の荒瀬ダム(八代市)は、撤去された後に清流が戻った事例として紹介されている。石木ダムについては、長年反対運動を続けている住民らを2018年から取材。郷土の自然を愛する思いを伝えた。
 ジャーナリストでもある矢間さんは50年以上前からダムの問題に関心があった。石木ダムの取材をきっかけに「公共事業を阻止するには地域住民が全国の事例や歴史を学ぶ必要がある」と痛感。それを基に映画のシナリオを書き上げたという。

「悠久よりの愛」の一場面。石木ダムの反対住民も登場している

 先月、日本映画復興奨励賞を受賞。主催する日本映画復興会議は「単なる反対運動の記録にとどまらず、森が川を通して豊かな海を作る流れをダムが分断し、農業や漁業にも被害をもたらすことを描いた」などと評価した。
 映画は110分。自主上映会に関心がある個人・団体には同映画上映委員会がDVD&資料を貸与する。申し込みは矢間さん(電話とファクス042.381.7770、メール h-yazama@oregano.ocn.ne.jp)。