ハミルトン、バウンシングによる痛みでマシンから降りられず。謝罪したメルセデス代表、次戦への影響を懸念/F1第8戦

 2022年F1アゼルバイジャンGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは4位を獲得した。

 序盤はグリッド位置と同じ7番手を走り、バーチャル・セーフティカーの際にピットストップを行うが、11番手までポジションを落とした。その後、コース上でエステバン・オコン(アルピーヌ)、ダニエル・リカルド(マクラーレン)を抜き、5番手走行時、再度導入されたバーチャル・セーフティカーの際に2度目のピットイン。6番手から、タイヤのアドバンテージを生かして角田裕毅(アルファタウリ)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)をパスして4位フィニッシュを達成した。

 ハミルトンはレース中、バウンシングによる背中の強い痛みを訴えており、レースを終えた後、マシンからなかなか出られないような状態だった。

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 トト・ウォルフ代表は、「我々が今日ルイスに用意したマシンは非常に乗りづらいものだった。彼は週末を通して背中に痛みを感じていた。バウンシングの解決策を見つける必要がある」とコメントしている。

 ウォルフはレース直後、無線を通してハミルトンに「今のマシンが走れるような代物でないことは皆が分かっている。背中のことも申し訳ない。状況を整理する必要がある」と語りかけた。

 ハミルトンは身体に大きなダメージを受けているとウォルフは述べており、次のカナダGPで走れない可能性があるかという問いに対して「ああ、間違いなくそうだ」と答えた。

「まだ彼と会っていないし話してもいないが、もはや筋肉の問題ではなく、背骨に影響している。それがなんらかの影響をもたらす可能性がある。これはルイスだけの問題ではないが、最も大きな影響を受けているのは彼だろう。ジョージ(・ラッセル)や他の大勢のドライバーにも影響が出ている」

「チームが必ずマシンを走らせるための解決策は、毎戦リザーブを確保しておくことだろう」

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム)
決勝=4位
7番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード→ハード

 今日のレースはアドレナリンでやっとのことで乗り切った。痛みをこらえて歯を食いしばっていたんだ。ここのストレートで味わう痛みは、とても表現できないほどのものだ。終盤には、ポイントを持ち帰ることを期待しているチームの皆のことだけを考えて走った。そんな状況だったのに、良いポジションを手に入れることができたよね。3位と4位というのはチームにとって素晴らしい結果だ。

 チームは戦略面でとても良い仕事をしてくれた。このバウンシングを解決しさえすれば、レースで上位を走ることができるだろう。

 今はバウンシングだけで確実に1秒以上、少なくとも1秒は失っている。明日はファクトリーに行って、チームと話し合いをし、これからも努力し続ける。

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

(自身のSNSを通してコメントし)今日は4位。ジョージはまたすごい走りをしたね。おめでとう。チームにとって全体的にポジティブな結果になった。

 ネットを見ていて、大勢の人たちが、僕の様子がひどかったため心配してくれているのを知った。たくさんの人たちが愛を送ってくれていることを、本当にありがたく思う。

 正直なところ、ひどい様子に見えただろうし、その100倍ひどい気分だ。このハードルを越えるため、モントリオールまで回復に努め、チームと一緒にハードワークに取り組まなければならない。

 でもすでに気分は良くなってきているし、今後も頑張り続けようという気持ちになっている。また来週、会おう。

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