新見でリンドウ出荷スタート 花大きく、色合い良く成長

新見市で出荷がスタートしたリンドウ

 西日本最大のリンドウの産地として知られる新見市で、今年の出荷が始まった。10月下旬まで約100万本の切り花が、岡山や広島県、関西圏の市場に出荷される。

 JA晴れの国岡山新見統括本部の選花場(高尾)では、11日から青紫色の花を付けた極早生(わせ)品種の出荷作業が続いている。農家が早朝に運び込んだリンドウを、花の咲き具合や茎の状態によって機械が自動で等級別に仕分け。10本ずつ束にして台に並べた後、アルバイトの女性らが本数や傷の有無を目で確認し、手際良く段ボール箱に詰めている。

 リンドウは仏花としての需要が高く、盆前の7月下旬から8月上旬に出荷の最盛期を迎える。JA担当者は「今年は気温が高く、例年よりも咲き始めが3日程度早い。花は大きくて色合いも良い上、茎が太くしっかりと成長している」と話している。

 市内では、花の色づきがよくなる冷涼な気候と昼夜の寒暖差を生かし、2000年ごろからコメの転作作物として栽培が本格化。現在は、市内の農家27戸が約4ヘクタールで「ながの極早生」や、新見オリジナル品種で花数が多く、青みがかった紫色のグラデーションが特徴の「奥の秋風」といった約30品種を栽培しており、昨年は1日最大約3万本を出荷した。

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