古くから養蚕が盛んな栃木県小山市内で、今年最初の繭作りが大詰めを迎えている。
養蚕業歴50年以上の同市三拝川岸、JAおやま養蚕部会長の五十畑茂(いかはたしげる)さん(74)方では約25万頭の蚕を飼育する。桑の葉を与えて8センチほどに成長させた後、木枠に間仕切りした紙箱を並べ、上方に移動する蚕の習性を利用した「回転蔟(まぶし)」という器具で糸を吐かせる。繭は10日程度で完成する。
13日は、7日に蚕を移した無数の回転蔟がずらりと並ぶ建物内を五十畑さんが見て回り、白い繭の状態などを確かめた。18日に生糸となる繭約500キロを初出荷できる見通しという。
五十畑さんは「寒い日があったため、繭を作り始めるのが遅く心配したが、例年通り良質な繭に育っている」と話した。繭作りは10月までに計4回行われる。