トレードの目玉・コントレラスを狙う球団は? メッツなどが候補か

今夏のトレード市場において「最高の野手」と目されているのがカブスの正捕手ウィルソン・コントレラスだ。現在30歳のコントレラスは今季ここまで50試合に出場して打率.267、10本塁打、23打点、OPS.900の好成績をマーク。「打てる捕手」として、その価値は非常に高い。今季終了後にFAとなるため、今季の世界一を目指す球団が数カ月だけ戦力をアップさせるための格好の補強ターゲットとなるだろう。コントレラスの移籍先としてメッツ、ジャイアンツ、パドレス、レイズなどが候補として挙げられている。

コントレラスの移籍先については「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が各球団の状況を分析。アストロズとヤンキースはコントレラスのような「打てる捕手」を必要としているように見えるが、この2球団はコントレラス獲得に動く可能性は低いという。

アストロズは正捕手マーティン・マルドナードが打率.153、OPS.503という貧打に喘いでいるが、フロントオフィスはマルドナードの守備力を高く評価。選手やコーチ陣からの信頼も厚く、マルドナードを控えに回すような補強は考えていないとみられる。

メジャートップの防御率を誇るヤンキースはホセ・トレビーノとカイル・ヒガシオカの2人を併用しているが、安定した守備力を持つこの2人の存在がチームの快進撃の一因となっている。現在のいい流れを壊すリスクを冒してまで無理にグレードアップを図る必要はないというわけだ。

こうした事情もあり、同じニューヨークの球団でもメッツのほうがコントレラス獲得に動く可能性が高いとみられている。メッツは正捕手ジェームス・マッキャンと2024年までの4年契約を結んでいるが、加入後142試合で打率.227、OPS.631と期待を裏切り、現在は左手首の有鉤骨を骨折して戦線離脱中。トマス・ニードとパトリック・マジーカを併用しているが、2人ともOPSは5割台にとどまっており、ワールドシリーズ制覇を目指すスティーブン・コーエン・オーナーがコントレラス獲得にゴーサインを出す可能性は十分にある。

他には昨季限りでバスター・ポージーが引退し、後継者として期待されたジョーイ・バートが不振でマイナー降格となったジャイアンツ、不動の正捕手と呼べる存在が不在のパドレスやレイズなどが候補に挙げられている。

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