井上尚弥、日本人初のPFP1位

権威ある「ザ・リング」誌が認定

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2回、ノニト・ドネア(左)を攻める井上尚弥=さいたまスーパーアリーナ(代表撮影)

 バンタム級の世界ボクシング協会(WBA)、世界ボクシング評議会(WBC)、国際ボクシング連盟(IBF)統一王者の井上尚弥(大橋)が6月10日、世界的に権威のある米国の専門誌「ザ・リング」からパウンド・フォー・パウンド(PFP=体重が同一と仮定した場合のランキング)の1位に認定された。日本人がPFPの頂点に立つのは初めてだ。

 本人も「誰もたどり着けなかった場所まで来た」と喜びを素直に表現した。

 世界のボクシング界には実力と人気を兼ね備えるスーパースターがそろっている。その中、1位はウエルター級のテレンス・クロフォード(米国)とヘビー級のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)が競っていたが、井上が一気に高い壁をクリアし“世界最強”に躍り出た。日本のボクシング界にとっても夢のような快挙といえるだろう。

 7日にさいたまスーパーアリーナで世界ボクシング評議会(WBC)同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)を2回1分24秒TKOで破り、日本初の主要3団体統一王者となった内容はインパクトがあった。

 5階級制覇の実績があるドネアを圧倒。あまりの強さに内外の評価は高まるばかりだった。

 両者は2019年11月以来の再戦。前回は「ドラマ・イン・サイタマ」と称された名勝負が展開されたが、井上は「今度はドラマにはならない」と圧勝を宣言。開始のゴングが鳴り、いきなり繰り出したドネア得意の左フックに「目が覚めた」という。

 そして、右フックで先制のダウンを奪った。続く2回、フィニッシュは完璧だった。的確な連打で追い込み、最後に左フックで痛烈なダウンを奪うと、レフェリーは迷うことなく試合を止めた。

 「100点をつけられる」と満足感あふれた笑みが広がった。

 次の目標は当然のように4団体統一しかない。

 標的はテクニックに定評がある世界ボクシング機構(WBO)同級王者のポール・バトラー(英国)。所属ジムの大橋秀行会長は既にバトラー陣営と交渉に入っていることを明言している。

 井上は「年内には4団体統一を考えたい」と意欲を示し、バトラー側も対戦に前向きなコメントを出している。場所は日本か英国か。いずれにしろ実現の可能性は十分だろう。 

 確かに井上の実力は桁違いだ。スピード、パワー、テクニック。すべてに秀でている。

 日本が誇るPFP1位は、どこまで駆け上がっていくのだろうか。(津江章二)