日本と戦うチュニジア代表だったかもしれない世界的スター選手

パナソニックスタジアム吹田で対戦する日本代表とチュニジア代表。

両チームは20年前の2002年に行われた日韓ワールドカップでも対戦している。しかも日付は全く同じ6月14日。

ここでは、チュニジア代表になっていたかもしれないスターを取り上げてみる。

ウィサム・ベンニェデル(現フランス代表)

南野拓実の獲得を狙っているモナコで10番を背負う31歳のフランス代表FW。

フランス生まれながら両親がチュニジア出身で、チュニジアサッカー連盟は2018年W杯前に代表入りを説得しようとしていた。ただ、同年3月に27歳にしてフランス代表にデビュー。同年のW杯では落選したが、EURO2020ではメンバー入りを果たした。

元フットサルフランス代表という珍しい経歴の持ち主でもある。その経験から足元の技術は柔らかく、右利きであるが左足でのプレーも全く問題ないうえ、小柄ながらヘディングも上手い。

元々はボランチやセンターハーフとしてプレーしていたが、リザーブチームでストライカーとしてゴールを量産する活躍を見せると本格的にコンバートされた。

ちなみに、同じ歳であるマンチェスター・シティのアルジェリア代表リヤド・マフレズは幼馴染。

サミ・ケディラ(元ドイツ代表)

レアル・マドリーやユヴェントスでプレーした元ドイツ代表MF。

チュニジア人の父、ドイツ人の母のもとでシュトゥットガルトに生まれた。

2014年W杯で優勝を成し遂げるなどドイツ代表で77試合に出場。2021年に現役を引退した。

「チュニジアはドイツよりもマナーがずっと緩やか。子供たちは自由奔放に育つ。そのメンタリティは(ドイツで育った)自分にとっては異質だけどね」などと語っている。

そんな彼の弟であるラニ・ケディラは原口元気とともにウニオン・ベルリンでプレー。

2018年W杯前にチュニジアサッカー連盟は代表入りを説得したが、ラニは熟慮の末に辞退。

「長いプロセスだった。父がチュニジア人ということもあってかなり考えた」、「自分はドイツで生まれ育ったのでドイツ語しか話せない(大会までに信頼関係を築くための時間が足りない)」とその理由を説明している。また、自分が入れば予選で必死に働いた選手の居場所を奪ってしまうとも語った。

アテム・ベナルファ(元フランス代表)

35歳になった元フランス代表。

若くから超天才として期待された左利きのドリブラーは、元チュニジア代表選手だった父のもとにフランスで生まれた。

そのテクニックはひとりですべてを決めてしまえるほどの高みにあったが、個人技に走りすぎたり、周囲と衝突するなど成熟しきれず。

1年以上も干されたPSGとは法廷闘争にまで発展した。リールに移籍した今季も監督を侮辱したことでシーズン途中でチームから追放されている。

2006年のW杯前にチュニジア代表から招集されるもフランスを選ぶと辞退。翌年に20歳でフランス代表にデビューした。2012年のEUROには出場したが、W杯に出場したことはない。

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本人は「チュニジア文化は自分の一部。家に帰れば、全てがチュニジアさ。チュニジアの言葉を話し、チュニジアのテレビを見て、クスクスなどのチュニジア料理を食べる。チュニジア人の温かみに親しみを感じる。彼らは今を生きていて、深刻に考えすぎないんだ」と語っている。

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