薄暗い館内、のびのび満喫 休館日活用で感覚過敏な子ら招待 さいたま水族館が「クワイエットアワー」

照明を暗くするなど感覚過敏な子どもに配慮した埼玉県営さいたま水族館。子どもたちは魚を見学して伸び伸びしていた=13日午前、羽生市三田ケ谷

 埼玉県羽生市三田ケ谷の県営さいたま水族館(松村一三館長)で13日、感覚過敏な子に配慮した「クワイエットアワー」という試みが行われた。市内の児童発達支援センターきらめき園から4~6歳児13人と職員14人が招かれた。

 クワイエットアワーとは、感覚過敏によりストレスを感じる人のために、日時を限って、施設の照明を通常より暗くしたり、館内のBGMの音量を消すなどする取り組み。2017年にイギリスで始まったとされる。

 今回は、県障害者福祉推進課や公園スタジアム課などが企画した。県障害者福祉推進課の久世高之主幹は「感覚過敏な子たちに水族館を楽しんでもらうための試行」と話した。

 水族館では、休館日を活用し、貸し切り、無料とした。松村館長は「明るい光が苦手な子に配慮して照明を少し暗くした。音は消した。様子を見ると、子どもたちは楽しんでくれていた。準備したかいがあった」とにっこり。

 きらめき園の児童発達支援管理責任者、桜井淳子さんは「子どもたちは水族館に入れたことを喜んでいた。貸し切りにしていただき、伸び伸びと自由に動き回れたし、楽しんでもらえた。照明も暗めにしていただき、居心地がよかったようです」と評価した。

 5歳児の男の子は「お魚がいっぱい見れて楽しかった。カエルが隠れていたので、一生懸命探したりした」などと話していた。

 県では、クワイエットアワーの試みに関するアンケートを実施して、結果を今後の参考にすることにしている。

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