傷ついたけど「食べて応援」 降ひょう被害の深谷産トウモロコシ即日完売 コープみらい15、19日も販売

ひょうの被害を受けたトウモロコシを手にする買い物客=埼玉県さいたま市南区のコープ南浦和店

 降ひょう被害を受けた農家を応援しようと、コープみらい(埼玉県さいたま市南区)は傷が付いて正規品として売れなくなった深谷市産トウモロコシを14、15、19日の3日間、埼玉をはじめとする関東エリアの店舗で販売している。3日間で約2万5千本を販売予定。コープみらいの担当者は「食べることで生産者を応援していきたい」と話している。

 14日と15日は、深谷市で生産された人気品種の「味来(みらい)」と「ゴールドラッシュ」で計5200本を販売。19日の販売分は黄色と白の粒が特徴の同市産「ミルフィーユ」で、2万本を用意する。価格はいずれも1本100円程度で、通常の価格より3、4割ほど安いという。

 同市は生産量、出荷量ともに国内有数のトウモロコシの産地だが、出荷の最盛期を前に、強風で倒れたところをひょうに打ち付けられ、果肉がつぶれるなどの大きな打撃を受けた。コープみらいは週明けの6日から産直契約を結ぶ埼玉産直センター(深谷市)の農地に入り、農家の聞き取りや被害状況を調査。店舗生鮮商品部農産グループ長の畑井田衛さんは「『値段はいくらでもいい。捨てるくらいなら』と切実な声があった」と話す。

 農家立ち会いの下、食味や品質、安全性を確認した上で、10~12日に2万6千本を先行販売すると即日完売。今回も、初日の14日、コープ南浦和店(さいたま市南区)では開店と同時に多くの客が買い求めていた。近所に住む70代の女性は「傷が少しあるくらいで売れないなんて、もったいない」と複数本、買い物籠に入れていた。

 15日はコープみらい10店舗、19日は同86店舗で販売予定。なくなり次第、終了する。

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