2連ポスターで前哨戦 知名度、イメージ向上狙う とちぎ参院選

各陣営が知名度アップを競う「2連ポスター」。立候補予定者と誰を組み合わせるかがポイントになる(コラージュ)

 22日公示、7月10日投開票予定の参院選に向け、栃木県内の候補者と党幹部らの顔写真を並べた「2連ポスター」が道路脇や空き地などに立ち並び、選挙ムードを醸し出している。栃木選挙区に立候補予定の6人のうち、14日までにポスターを掲示したのは4人。衆院の小選挙区支部長や知名度のある党幹部を起用するケースが目立ち、各党は候補者のイメージ向上を狙う。

 立候補予定者単独のポスターは公示前、公選法上の規制がかかるが、演説会の告知などが記載された2連ポスターは「政党活動」として認められている。

 自民党現職の上野通子(うえのみちこ)氏(64)は、衆院の県内5小選挙区別に各支部長とのポスターを作製。上野氏のイメージカラーの赤で「好きですとちぎ」の文言を配した。人選について、陣営関係者は「本県の自民党が一枚岩となっていることと、党の組織力をPRする狙いがある」と明かす。

 立憲民主党の新人板倉京(いたくらみやこ)氏(55)は、小選挙区総支部長4人と宇都宮市出身で党前代表の枝野幸男(えだのゆきお)衆院議員を選んだ。板倉氏のイメージカラー黄色と、党の青を使い「あなたの役に立つ政治」の文言。県連幹部は「オール栃木の総力戦をアピールし、総支部長の知名度アップも狙う」と話す。

 日本維新の会は、栃木選挙区の新人大久保裕美(おおくぼゆみ)氏(45)、比例代表の前県議西川鎭央(にしかわやすお)氏(50)の2人とも副代表の吉村洋文(よしむらひろふみ)大阪府知事を起用。吉村氏の知名度や人気にあやかるのが狙いだ。「まずは政治が身を切る!」「停滞か、維新か」などの文言を入れ“改革勢力”を強調した。

 共産党新人岡村恵子(おかむらけいこ)氏(68)は、党常任幹部会委員の紙智子(かみともこ)参院議員を起用。「平和と暮らしまもる。」との文言を加え、防衛費増額を唱える岸田政権との違いを打ち出した。

 NHK党新人の高橋真佐子(たかはしまさこ)氏(57)、政治団体の参政党新人の大隈広郷(おおくまひろさと)氏(52)は2連ポスターを作製していない。

© 株式会社下野新聞社