シュコダ、新型ラリーカー『ファビアRSラリー2』を世界初公開。新エンジン搭載のほか各部を改善

 チェコの自動車メーカーであるシュコダは6月14日、新型ラリーマシンのワールドプレミアを実施し『シュコダ・ファビアRSラリー2』を初公開した。

 この新型マシンは、WRC世界ラリー選手権の最高峰“ラリー1”の直下に位置するラリー2のフィールドにおいて、アンドレアス・ミケルセンやカッレ・ロバンペラなど多くのドライバーの手によって世界で1700以上の勝ち星を挙げ、大成功を収めているファビア・ラリー2、およびファビア・ラリー2エボの後継モデルだ。

 ベース車両は2021年にデビューした第4世代のシュコダ・ファビアであり、ラリーカーのシャシーについてもベースモデルと同じフォルクスワーゲングループの“MQB-A0”プラットフォームに基づいている。

 車両開発を担当したシュコダ・モータースポーツは、搭乗するドライバーとコドライバーの快適性と安全性をとくに重視しており、その点で新しいシャシーは役立ったという。ロールケージには35.8メートルのスチールチューブが使用されている。

 搭載エンジンも新たに開発が行われ、1.6リットル直列4気筒ターボは最高出力289bhp(約293PS)を発揮。最大トルクは430Nmをマークする。この強力な駆動力は5速シーケンシャル・トランスミッションを介し4輪に伝えられる。

 この他、新型マシンではブレーキシステムも改良が加えられ、サスペンションのロングストローク化、電気系統の強化、さらにエアロダイナミクスについても大きく改善がなされた。

「モータースポーツにおいて、立ち止まることは後退を意味する」と語るのは、シュコダ・モータースポーツのミカル・フラバネク代表。

「そのため、我々の新型ファビアRSラリー2の開発では、先代モデルで得た経験を活かし、あらゆるディテールを最適化した」

「目標は、世界でもっとも成功した(カスタマー)ラリーカーを改良することだった。この目標を達成するために、献身的な努力を続けてくれたシュコダ・モータースポーツのチーム全員を誇りに思う」

「また、シリーズ開発の仲間たちにも感謝したい。なぜなら、第4世代のファビアは、ファビアRSラリー2のための完璧な基礎を提供してくれたためだ」

 今回、世界初公開された『ファビアRSラリー2』は、氷点下14度のなかで実施された冬のフィンランドでの走行を含む包括的なテストプログラムをすでに終えており、近い将来ラリーのステージに登場することが期待されている。

シュコダ・ファビアRSラリー2(エクステリア:フロント)
シュコダ・ファビアRSラリー2(エクステリア:リヤ)
シュコダ・ファビアRSラリー2(エクステリア:サイド)
シュコダ・ファビアRSラリー2は2021年にデビューした4代目ファビアがベースとなっている

© 株式会社三栄