運休・遅延もたらす強風をAIで予測 JR西日本が滋賀・湖西線に今秋導入へ

強風の影響を受けやすいJR湖西線に設置された防風柵(大津市・近江舞子駅付近)

 JR西日本は15日、強風で頻繁にダイヤが乱れる滋賀県の湖西線(山科―近江塩津駅)に人工知能(AI)を使った局地的な強風予測システムを導入すると発表した。予測精度を高め、不要な運休や迂回(うかい)運転の抑制につなげる。今秋にも試験運用を始め、2023年度の本格運用を目指す。

 独自開発のAIと、大阪ガスが気象庁のデータから2.2キロ四方単位で予測する風向きや風速を組み合わせ、強風が吹きそうな時間や場所を推測する。現行手法と比べ、予想が外れる件数が7割程度減るという。

 湖西線は比良山系から吹き下ろす風の影響を受けやすく、JR西は14カ所に風速計を設けている。風速20メートル(防風柵の設置区間は25メートル)以上で徐行運転、風速25メートル(同30メートル)以上で運転見合わせとし、京都・大阪と北陸を結ぶ特急「サンダーバード」の運行も東海道線に迂回させている。強風による運転規制は平均で年約50日に及び、関西で最も多いという。

 新システムは24時間先の予測ができる。JR西は強風の予想時に前もって運行計画を変更し、利用客への影響を軽減させる。

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