未供用の1.2キロ開通へ 串本の「サンゴ台中央線」

串本の高台を通る町道サンゴ台中央線。道沿い(右)で整備されているのは「くしもとこども園」の新園舎=和歌山県串本町の許可を得てドローンで撮影

 和歌山県串本町の田嶋勝正町長は14日に開会した町議会6月定例会で、高台を通って同町串本とサンゴ台を結ぶ町道「サンゴ台中央線」の未供用区間約1.2キロについて、7月1日に供用を始めると明らかにした。開通式典後に、一般の利用を開始。国道42号の混雑緩和といった効果が期待されるという。

 町建設課によると、サンゴ台中央線は同町串本にある串本小学校近くの国道42号と接する場所から、切り土するなどして整備した高台を通り、サンゴ台を経て、同町串本の橋杭小学校そばまでの総延長2814メートル。うち串本小の近くから、現在建設が進む「くしもとこども園」の新園舎のそばを通り、サンゴ台に至る延長1242メートルが未供用区間となっている。未供用区間の幅員は10.25~12メートル。混雑緩和や田辺市や新宮市方面への時間の短縮といった効果が見込まれるという。

 7月1日は午前10時から開通式を開催。約40人が参加し、テープカットをするなどして2017年度から建設工事を進めていた事業の完成を祝う。式典後、供用を始める予定。

 未供用区間の開通について、田嶋町長は今年の町議会3月定例会の施政方針で「本年夏ごろには一般供用を行いたいと考えている」との考えを示していた。

 田嶋町長はこのほか、くしもと町立病院(串本町サンゴ台)の21年度の決算について、開院後初の黒字決算となった前年度を上回る約9500万円の黒字となる見込みであることや、新型コロナワクチンの4回目接種について7月初旬から集団接種を始める予定であることを報告。

 さらに、今回提出した22年度の一般会計補正予算案に盛り込んだ1人7千円分の商品券とは別に、物価高騰に対応するための臨時交付金を受けた商品券配布などの事業も追加議案として提出する予定であることも説明した。

■補正予算案など可決

 町は6月定例会に一般会計補正予算案など議案22件を提出。15日までに、ロケット関連施設に改修する同町西向の旧古座分庁舎2階に「古座サテライトオフィス」を設けるための条例案や一般会計補正予算案など全議案を可決するなどした。

 人事案件では、人権擁護委員に和田靖子さん(66)=串本町串本=と坂成美佐緒さん(61)=同町サンゴ台、知野光洋さん(67)=同町くじの川、平松勇さん(66)=同町潮岬=を推薦することを決めた。いずれも再任。

 また、町教育委員会委員に嶋田豊さん(71)=同町西向=を再任するほか、町潮岬財産区管理委員に山下秀夫さん(66)=同町潮岬=と山﨑広治さん(74)=同町潮岬=を再任し、林栄次さん(71)=同町潮岬=を新任する議案に同意。

 町出雲財産区管理委員に稲垣光雄さん(72)=同町出雲=を再任、町和深財産区管理委員に田城茂さん(70)=同町和深=を再任し、西山修さん(67)=同町和深=を新任、町田原地区財産区管理委員に杉本百生さん(78)=同町上田原=と平瀬信也さん(74)=同町上田原=を再任する議案にも同意した。

 6月定例会の会期は27日までの14日間。

地図・サンゴ台中央線

© 株式会社紀伊民報