参院選神奈川選挙区、全国屈指の激戦予想 過去最多20人超出馬の公算

足早に行き交う人に政策を訴える参院選神奈川選挙区の候補予定者=15日午前、横浜市内

 参院選は22日公示、7月10日投開票の日程で行われることが決まった。改選4議席に加え、非改選の欠員1を補う異例の「合併選挙」となる神奈川選挙区には現時点で、与野党の公認候補予定者や諸派などから計21人が名乗りを上げている。ほかにも出馬を模索する動きがあり、立候補者は過去最多の15人(1983、98年)を上回るのが必至の情勢だ。自民、立憲民主両党が複数擁立に踏み切るほか、主要政党が軒並み候補を立てる予定。当選順位で任期が異なるという複雑な事情もあり、全国屈指の激戦が予想される。

 自民は党勢拡大による政治の安定を掲げて24年ぶりに公認候補2人を擁立する。現職の三原じゅん子、元職の浅尾慶一郎両氏を6年任期が与えられる4位以内に押し上げることに全力を注ぐ。岸田文雄政権や党の支持率は堅調に推移しているが、24年前は共倒れを喫した。県連幹部は「敵は油断」と引き締める。

 公明党は現職の三浦信祐氏が再選を期す。4位までの当選が至上命令で、支持母体の創価学会票をベースに、さらなる上積みを進める。推薦を得た自民との選挙協力が鍵を握る。

 野党第1党の立民は新人2人を立てる。寺崎雄介氏は地方議員だった経験を前面に、無党派層などへの浸透を図る。連合神奈川の推薦を得た水野素子氏は生活者目線の訴えを中心に据える。党勢が伸び悩む中、2人の選定過程や複数擁立の是非を巡って党内に混乱があった。政権への対抗軸を示せるかが問われる。

 日本維新の会は元職の松沢成文氏が議席回復に挑む。県内組織は脆弱(ぜいじゃく)だが、県知事時代に培った知名度を生かし「改革保守の第3極」を掲げる。首都圏での党勢拡大を占う戦いとなる。

 共産党は3回目の挑戦となる新人の浅賀由香氏が悲願の議席獲得を目指す。過去2回は次点だった。合併選挙で5位まで当選者となるため、陣営は好機とみて支持基盤の拡大に努める。

 国民民主党は新人の深作ヘスス氏が挑戦する。民間労組などの支援に加え、浮動票の取り込みに向け、都市部を中心に街頭活動を強化。若さをアピールし、知名度アップに余念がない。

 社民党は政党要件の維持を懸けた戦い。市民運動に従事した新人の内海洋一氏を立て、全国比例で再選を期す福島瑞穂党首と連動した訴えに活路を見いだす。

 NHK党はいずれも新人の飯田富和子、小野塚清仁、重黒木優平、橋本博幸の4氏が出馬を予定。NHKの受信料改革や各自の主張で支持を呼びかける。

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