細胞に「おきゅう」がん死滅 発熱ナノ粒子で細胞機能を制御 金大研が開発

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 金大ナノ生命科学研究所の新井敏准教授、コン・ブー特任助教らの共同研究グループは15日、細胞の中を局所的に温めて細胞機能を制御する技術を開発したと発表した。発熱するナノサイズ(ナノは10億分の1)の粒子が細胞一つ一つに「おきゅう」を据えるような仕組みで、がん細胞を死滅させたり、筋細胞を伸び縮みさせたりすることに成功した。

 有機物ポリマーに、レーザー光線を当てると発熱する色素と温度変化によって明るさが変わる色素を埋め込み、直径150ナノメートル粒子を作った。

 がん細胞は熱に弱いことが知られており、この粒子をがん細胞に入れてレーザー照射で48度に加熱させたところ、がん細胞が死滅した。がんの温熱療法の主流となっている磁場による加温は、温度上昇に時間を要するという弱点があるが、ナノ粒子は数秒で死滅させることができたという。

 また、筋肉の細胞では温めると細胞が伸びることを確認した。植物に応用すれば、遺伝子組み換えをしなくても大きく育つ野菜などを作れるようになる。

 ただ、局所的な熱による細胞制御の仕組みは詳しく分かっておらず、新井准教授は「温めれば狙った作用を起こす細胞の『つぼ』を見つけ、新たなバイオテクノロジーの創出につなげたい」と語った。