自然と共生する企業へ 敷地にビオトープ オギハラ工業

 農業用品、除雪用品製造のオギハラ工業(上越市新保古新田)はこのほど、会社敷地にビオトープを設けた。自然と共生する環境づくりを推進し、姿勢を社内外に浸透させたい考え。

6月上旬に完成したビオトープ。カエルから昆虫、鳥類まで多くの野生生物のより所にしたい考えだ

 ビオトープは池と周辺に植えた樹木、砕石を敷き詰めた庭で構成。池には周辺にすむカエル、チョウなどが来るのを期待する。樹木は実を付けるものを選んで植え、鳥の餌にする考え。庭はすでにセキレイなどが飛来し、遊んでいるという。施工は笠原建設(糸魚川市)。
 荻原潔社長によると、取引先からSDGsや脱炭素に向けた取り組みを問われるケースが増えたのが、ビオトープを設けるきっかけの一つだという。東証プライム市場の上場企業は、東証から気候変動関連の事業リスクを国際的な枠組みに沿って開示するよう求められており、取引先にもヒアリングが及んでいることが原因だ。
 同社はこれまで、工場の屋根に太陽光パネルを取り付け、一部工程で排出する二酸化炭素を吸収するため植樹も行ってきた。ビオトープはより環境配慮の姿勢を可視化できる。荻原社長は「取引先も従業員も、ビオトープに関心を寄せているようだ。美観を保つよう管理していきたい」と話した。

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