学校のマスク緩和 戸惑いの声も 大分

文部科学省は、熱中症のリスクを減らすため、体育の授業や登下校時などは児童・生徒にマスクを外すように指導することを全国の教育委員会に求めました。一方で、教育現場からはマスク着用の緩和に対し、戸惑いの声も聞かれます。

県体育保健課 秋吉陽子指導主事インタビュー
「熱中症のリスクは命に関わる問題なのでそちら(マスク非着用)を優先してもらって、積極的に外すように声掛けしてもらうことをお願いしたい。」

文部科学省は5月末、全国の教育委員会に体育や部活動、登下校の際はマスクは不要と通知していましたが、10日に改めてマスクの着用について指導するよう呼びかけました。各地で熱中症による児童・生徒の救急搬送が増えていることを受け、熱中症の予防を優先しマスクを外す指導を求めています。

大分市の西の台小学校は13日に市の教育委員会から連絡を受け、外で体を動かすときはマスクを外すよう呼び掛けています。しかし、休み時間の様子を見てみるとマスクを外している児童の姿はほとんどありません。

6年生を担当する先生インタビュー
「先日運動会があったが『顔も演技だ』と、保護者にも(顔を)見てもらおうと声掛けはするけど、こちらから言わないと(感染)リスクが子どもたちも怖いみたいで、外したがらない空気が強いのかなと感じた。」

6年生を担当する先生インタビュー
「運動の後だと呼吸回数が多くなったり、顔が真っ赤で汗がマスクに染み付いてしまう子もいて、マスクを外したときは無言ということを定着させて心がけて外すように言っている。」

学校ではマスクを外す給食の時間も会話を控え、黙食を徹底しています。コロナ禍以前は机を向かい合わせて食べていましたが、今は全員同じ方向を向いての食事です。

6年生を担当する先生インタビュー
「時間はかかるんだろうなと。ここ数年(マスクが)当たり前になっているのでこちらから外してもいいんだよと繰り返し伝えていかないとすぐには登下校などでマスクを外した子どもたちの姿は見られないと思う。」

熱中症のリスクと新型コロナ感染のリスク。2重のリスクに教育現場も頭を抱えます。

県は、熱中症の予防を最優先に、会話を控えたり、咳エチケットを守ることなどを心がけて、必要に応じてマスクを外すよう呼びかけています。

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