魅力満載のグリーンポイントを解剖!

川を挟んでクイーンズのロングアイランドシティーと面するブルックリン最北端のグリーンポイントは、昔ながらの街並みと店を残しながらもトレンディーな店もあり、イーストリバー沿いは開発も進む注目のエリアだ。さらに進化する最近のグリーンポイントを歩いてみよう。(取材・文/菅礼子)


ヒップなエリアとして人気上昇中

グリーンポイントの魅力って?

もともとはポーランド系の移民が多く移り住んだグリーンポイント。昔ながらの商店街が広がるのどかな街並みに、おしゃれなカフェやブティックが点在している。近年では開発も進み、イーストリバー沿いに高層アパートが立ち並ぶなど変化を見せている。

グリーンポイントの魅力を地元のウェブマガジン「グリーンポインターズ(Greenpointers)」のオーナー、ジュリア・モークさんに聞いた。

――グリーンポイントがトレンディーなエリアになった理由は?

私は以前ウィリアムズバーグ(現在住んでいるグリーンポイントの自宅から数分の距離)に住んでいたのですが、緑地や芝生、公園が近くにあり、楽しい場所もたくさんあるグリーンポイントに引っ越してきました。クリエーティブな人間としてアートとつながっていたいし、この地域に住む多くのアーティストと友達でもあるんです。そうした人々が集まってきたことでトレンディーになったのかもしれません。

――今と昔でどのように変化しましたか?

私がグリーンポイントに引っ越してきた2011年当時は、近くのウィリアムズバーグより安い家を探している人が住むような場所でした。最近では、グリーンポイントでもアパートメントを探すのはかなり難しくなり、まして良い条件の物件を見つけるのは困難です。また、以前はカジュアルなバーやレストランもあり、無料や格安のライブイベントを見に行くことができましたが、今では3ドルで飲めるビール「パブスト・ブルー・リボン」ではなく、おいしいカクテルを飲みに行くような高級レストランやバーがどんどん増えてきましたね。

――昔はポーランド人が多く住む地域だったとか?

グリーンポイントには、今でもポーランド人たちが残っています。私の隣人の多くはポーランド人ですし、今でもおいしいポーランド料理のレストランがたくさんあります。ポーランド人が今より多かった頃は、近所の人はみんな顔見知りで、地元の大人は子供の名前を全員知っているような環境でした。この街で育ったポーランド人の隣人は、この場所を安全に感じるとよく話しています。

――「グリーンポインターズ」とは?

北ブルックリン(グリーンポイントとウィリアムズバーグ)の情報を発信する、ローカルなコミュニティーニュースサイトです。地元企業にスポットライトを当てたり、アーティストやミュージシャンについても取り上げています。近年は、地方政治、選挙、公衆衛生(特に新型コロナウイルス関連)などのコミュニティーニュースにも力を入れています。

――おすすめのショップやスポットは?

ポーランド料理はもちろんおすすめですが、「ポーリー・ギーズ・スライス・ショップ」ではニューヨークでもトップクラスのピザを食べられます。街ゆく人たちを眺めながら外でおいしい料理を食べられる「ファイブリーブス」、食べて踊って夜を楽しく過ごせる「ポニーボーイ」、「オーブンリー」でチョコレートのブルックリン・ブラックアウト・ケーキを買うのもおすすめ。マッカキャレンパークを訪れることもお忘れなく! ウィリアムズバーグまで広がる公園で、さまざまなイベントが行われています。

古いものと新しいものが混在しているので、歩くだけで素敵な場所に出会えると思います。

ジュリア・モークさん

「Greenpointers」オーナー。
テック業界で経歴を積み、3人目のオーナーとして同メディアを受け継ぐ。
現在はノースブルックリン商工会議所の理事も務め、家族と愛犬とグリーンポイントで暮らし、日々、ローカルな情報を発信している。greenpointers.com

ポーリッシュレストランに行ってみよう!

グリーンポイントといえばポーランド料理は外せない。伝統的な料理からモダンなものまで、食べ歩くのも面白い。


オーソドックスなポーランド料理ならここ!

グリーンポイント駅からすぐの所に位置するオーソドックスなポーリッシュレストラン。伝統的で素朴な料理を出すだけでなく、家庭的な雰囲気を提供している。店内を訪れるお客さんの多くはポーランド語を話すなど、その雰囲気が伝わってくる。

柔らかなコトレッタもこのボリューム!

国民食としても人気のピエロギや豚肉のカツレツ風のコトレッタ、ロールキャベツのようなゴウォンプキなど、素朴な家庭料理はボリュームがあり、食べ応えも満点だ。少人数のグループで行くと何品かの料理を楽しむことができるだろう。メニューにはサンドイッチやハンバーガーもあり、ポーランド産のチーズが使われているなど徹底している。平日はお得なランチセット(15ドル)もある。夏場はポーリッシュビールや、ポーランド製のウォッカで作られたモヒートで喉の渇きを潤したい。サーバーが着用するポーランドの伝統衣装もお店の看板になっている。ポーランドの家庭的な料理を楽しみたいなら、ぜひ訪れてみよう。

今の季節は外の席も賑わっている

Karczma
カルツマ
136 Greenpoint Ave., Brooklyn, NY 11222
TEL: 718-349-1744
karczmabrooklyn.com


国民食のピエロギが目白押し

「ビブグルマン2021」にも選ばれている手頃でおいしい店。マッキャレンパークのすぐ近くにあり、モダンなインテリアもヒップなグリーンポイントを表現している。剥き出しのブラウンストーンや白い陶器などは1960〜70年代のポーランドの民芸運動の影響を受けているという。

ポーリッシュビールに合わせて

餃子のような皮の中にいろいろな具材を入れて食べるポーランドの国民食とも言われるピエロギが看板メニューのレストランとして知られ、ニューヨークで最もピエロギに力を入れていると自負している。それだけにラインアップも多く、ポテトやチーズが入ったオーソドックスなものから、中にはブルーベリーやストロベリーが詰め込まれたもの、ハラペーニョを乗せてエスニック風にアレンジしたもの、さらには「ピエロギブラッディーマリー」なるカクテルまであり、豊富な品ぞろえだ。

店主は「まだポーランドの魅力を知らない人たちに楽しんでもらいたい」という思いがあるとのこと。

フルーツを使ったピエロギはデザートに

Pierozek
ピエロゼク
592 Manhattan Ave., Brooklyn, NY 11222
TEL: 718-576-3866
pierozekbrooklyn.com


おしゃれでモダンなカフェ風のレストラン

24年以上にわたってグリーンポイントの地元民に愛されているオーソドックスなポーリッシュレストラン。家族経営の店で、代々伝わる家庭のレシピを再現している。2人の夫婦によって始められた店は店主の他界により、夫人と子供が店を引き継ぎ、地元民や友人たちに常に支え続けられてきたという。現在は夫人が中心となるお母さんの味が味わえる食堂的な存在だ。

惣菜ケースがあり、テイクアウトもできる

メニューは豊富なスープのラインアップにビーガンメニューも充実し、ピエロギなどビーガンで提供しているものもある。ビーガンメニューが充実する反面、店主がブッチャーを営んでいたこともあり、お肉のメニューも種類が豊富で定評がある。もちろん伝統的なコトレッタやゴウォンプキもあり、全体的にメニューの数も多い。

現在ではモダンな雰囲気で若いお客さんにも人気。価格も比較的リーズナブルだ。惣菜のテイクアウトもできるので、地元の人たちが立ち寄って日常的に楽しんでいる光景もある。

カジュアルな雰囲気で気軽に立ち寄れる

Polka Dot
ポルカドット
726 Manhattan Ave., Brooklyn, NY 11222
TEL: 718-349-2884
polkadot.nyc

ヒップなグリーンポイントで楽しい街歩き


お気に入りのバーを見つけよう

Sunshine Laundromat & Pinball

一見街中にある普通のランドリー。店内の奥にある隠し扉を開けると、そこにはバーがあるというというスピークイージー。バーの中はゲームセンターのようになっており、お酒はもちろんのこと、ピンボールなどさまざまなゲームが楽しめる。驚きを演出したい時にぴったりのスポットだ。

860 Manhattan Ave., Brooklyn, NY 11222
TEL: 718-475-2055/sunshinelaundromat.com


Broken Land

クラシックで古びた雰囲気がおしゃれなブルックリンらしいバー。ピニャコラーダやオリジナルのカクテルだけでなく、ビールの種類も豊富だ。裏庭で夕方からゆっくりお酒を飲むのもぜいたくな時間だ。居心地の良い空間で、ついふらっと立ち寄ってしまうような地元民からも愛されているバーとして知られている。

105 Franklin St.
Brooklyn, NY 11222
brokenlandbar.com


食べ歩きや腹ごしらえに立ち寄りたい

Peter Pan Donut & Pastry Shop

グリーンポイントで60年以上続く老舗ドーナツの名店で地元の人たちからも愛されている。店内はいつも混み合い、店の外まで行列ができることも。気取らない素朴なちょっぴり大きめのドーナツは、オリジナルレシピから作られている。

727 Manhattan Ave., Brooklyn, NY 11222
TEL: 718-389-3676/peterpandonuts.com


Rule of Thirds

広い店内でモダンな和食が食べられる新名所。アウトサイドスペースも充実し、イベントも多く行われている。お肉やお魚の定食もあり、刺身や豊富な日本酒も楽しめる。ボリューム大のパンケーキも人気のメニューだ。夏期は屋外テントもあり、開放感を感じられる。

171 Banker St.
Brooklyn, NY 11222
TEL: 347-334-6684
thirdsbk.com


個性豊かな掘り出し物に出合えるかも!?

Alter

今年14年目を迎えるセレクトショップ。現在はオリジナルの他、世界約100カ国から厳選したブランドを取り扱っている。個性的なデザインも多く、オーナーの目利きなセレクトにファンの顧客も多い。一点もののデザインからベーシックなアイテムまでを低価格で提供することに努めている。

140 Franklin St., Brooklyn, NY 11222
TEL: 718-349-0203/alterbrooklyn.com


Beacon’s Closet

マッキャレンパークからほど近い場所にあり、おしゃれな人々が集まるエリアにある同店。店内は広く、品数が多いため、ビンテージの宝探しのような気分になる。グリーンポイントの他にもマンハッタンやブッシュウィックにも店舗がある。「ビーコンズクローゼット」で他とは被らないお気に入りを見つけよう。

74 Guernsey St., Brooklyn, NY 11222
TEL: 718-486-0816/beaconscloset.com


Awoke Vintage

2012年にウィリアムズバーグに店舗を構え、現在ではグリーンポイントに2店舗と合計3店舗で展開するビンテージショップ。一点もののビンテージアイテムは個性豊かなものが多く、店内は若い女性たちでいつも賑わっている。デニムやアクセサリーも豊富に取りそろえている。

688 Manhattan Ave.
Brooklyn, NY 11222
TEL: 718-349-5925
awokevintage.com

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