「なつお」の挑戦 滝澤夏央選手の活動報告〈2〉 1軍昇格から躍進の1カ月 出続けられる体力と技術を

 5月13日、背番号が126から62になった滝澤夏央。育成選手から支配下選手になった当日に1軍の試合でスタメン出場を果たし、2日連続でお立ち台に上がったのはもう1カ月前のことだ。北は札幌、南は沖縄まで全国を移動し、交流戦もあったこの1カ月を振り返った。

 「正直、あっという間でした。1軍の雰囲気にはだいぶ慣れてきましたが、まだ試合には慣れません。僕はアドレナリンが結構出るタイプなので、試合が始まってしまえばいいのですが、始まるまではいまだに緊張しっぱなしです」と初々しい表情を見せた。

 高校を卒業するまで新潟を出たことがないという滝澤だが、意外にも移動疲れはない。飛行機や新幹線の車内で寝られるタイプなので、苦に感じなかったという。コロナウイルスの影響などもあり、遠征先のホテルでは自室で過ごす時間が多いのが現状だが、「しっかり休める時は休みたくて、できるだけたくさん寝るようにしていました。同期の隅田さん(隅田知一郎)とたくさん話すことができたので、部屋にこもることなく過ごせたのは良かったと思います。あとは、自分の守備とバッティングの動画を見たり、対戦相手のことも細かく確認できました」と〝おうち時間〟をうまく使うことができた。

練習中、明るい表情を見せる西武・滝澤。表情からも1軍のチームになじんでいるのが分かる(球団提供)

 ほとんどの試合でフル出場だった滝澤の日課はストレッチ。試合が終わってからなるべく早いタイミングで1回目のストレッチ、寝る前にもう一度ストレッチをすることで翌日に疲れを残さない工夫をしたという。

 5月31日からはタイガースとの3連戦だったが、阪神甲子園球場に姿を見せた滝澤は「ここが仲間と目指した甲子園です。高校の時に来たかったというのが一番の気持ちですが、本当に最高の場所なので、後輩たちにも来てほしいと思いました」と後輩への思いを話した。

高校時代に目標だった阪神甲子園球場に降り立った滝澤。関根学園時代のチームメートや後輩たちへの思いも示した(球団提供)

 6月3日からはスワローズとの3連戦。明治神宮球場自体に思い出はないが、東京ヤクルトスワローズの市橋崇見打撃投手は昔からの知り合いだ。「実家が近くて、家族同士仲が良いです。関根学園高校の先輩で、兄が小学校から高校までずっと一緒だったこともあって、仲良くさせてもらっていました。久しぶりにお会いできてうれしかったですし、『頑張れよ!』って言ってもらいました」と再会を喜んだ。

◇ファン投票で遊撃手5位に

 6月1日にはマイナビオールスターゲーム2022の中間発表があったが、滝澤は何と遊撃手部門で4321票を獲得し、5位という結果だった(16日現在、2万2780票、遊撃手部門5位)。「自分で見たというよりは聞きました。まさか自分がと思いましたね。ビックリしましたし、もっと頑張らないといけないなと思いました。上位に名前があったことで、出てやろう!とまでは思いませんが、僕に投票してくれた方がその数だけいるということなので、もっと活躍したいという気持ちになりました。もちろん、いつかはその『祭典』に出たい気持ちはありますが、まだ早いかなと思っています」と正直な胸の内を明かした。

 そして6月12日に交流戦が終了。もともとジャイアンツファンだった滝澤は「ベルーナドームでジャイアンツと対戦できて、うれしかったですし、テレビで見ていた選手たちを目の前にしてあらためて1軍の選手ってすごいなと思いました」と話し、「この後も頑張ることに変わりはありません。1軍にいられるよう、特にけがには気をつけていきたいです。スタメンを外れた日も、悔しい気持ちはありましたが、毎日試合に出続けられる体力と技術を身に付けたいとあらためて思いました。チームの勝利に貢献することが自分のやるべきことだと思うので、プレーで見せたいと思います」と意気込みを語り、ロッカーをあとにした。(西武ライオンズ広報部)

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