第74回カンヌ国際映画祭でSACD賞を受賞した映画「オルガの翼」が、9月上旬より劇場公開されることが決まった。
「オルガの翼」は、生きるために故郷ウクライナを去った15歳の体操選手オルガを描いた作品。2013年、ユーロマイダン革命（親ロシア派のヤヌコーヴィチ大統領追放につながったウクライナの市民運動）直前のキーウ。欧州選手権出場を目指してトレーニングに励むオルガは、ヤヌコーヴィチ大統領の汚職を追及するジャーナリストの母とともに、何者かに命を狙われる。身の安全のためウクライナを離れたオルガは、父の故郷であるスイスのナショナル・チームに入る。欧州選手権出場のため、ウクライナの市民権を手放さなければならなくなったオルガの心は大きく揺れる。
監督を務めるのは、スイス出身で1994年生まれの若き才能エリ・グラップ。初長編監督作にしてカンヌ国際映画祭SACD賞受賞の快挙を果たした。2015年にユーロマイダン革命を経験したウクライナのバイオリン奏者による実話に深く心を動かされたグラップ監督は、2016年に脚本執筆をスタートさせ、5年の年月をかけて本作を完成させた。ユーロマイダン革命の映像は、すべて実際にデモ参加者がスマートフォンで撮影した映像を使用している。
主人公のオルガを演じるのは、ウクライナ東部ルハンシク生まれで、欧州選手権出場歴を持つアスリートのアナスタシア・ブジャシキナ。彼女のほか、国際大会出場レベルのアスリートたちが、トップを目指す少女たちを演じている。少女たちの呼吸、情熱、目線、ためらい、ミスなど、競技の合間の繊細な表情もすくい取られている。
【作品情報】
オルガの翼
2022年9月上旬、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
配給：パンドラ
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