新幹線開業後の佐世保線特急 6割が現行より所要時間増 市「高速化効果ない」

 西九州新幹線(武雄温泉-長崎)開業に合わせたJR佐世保線(佐世保-肥前山口)のダイヤ改正について、佐世保市は16日、同線の佐世保-武雄温泉を走る特急(1日上下32本)のうち、約6割が現在より所要時間が増加する見通しを明らかにした。同線を巡っては、県が約14億円を投じて高速化事業を進めているが、市は「効果が感じられない」とし、県やJR九州に対応を求める考えを示した。
 市はダイヤを独自に分析。市議会交通体系整備特別委員会で報告した。
 市によると、佐世保-武雄温泉を走る特急の所要時間は現在と比べ、6本で短くなり、19本で増える。平均所要時間は2分長い46分となる。佐世保-博多は17本で短縮され、9本で増加。平均所要時間は2分短い1時間52分となる。
 一方、県は佐世保線のレールなどを改良する高速化事業に着手。JR九州は長崎-博多を走る特急「白いかもめ」と同じ振り子型車両を導入し、スピードアップを図るとしている。
 委員からは、高速化事業の効果がダイヤに反映されていないと不満の声が続出した。市は「(JR側から)全体のネットワークを構築する中でどうしても所要時間が増加する部分が出ると報告を受けている」と説明。杉本和孝企画部長は「われわれも納得していない」と述べ、県や市、JR九州でつくる佐世保線整備の検討委員会で改善を求めるとした。


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