男性焼死させられ1カ月…施錠された部屋で鍵1本発見 捜査員2147人、付近の207世帯に聞き込み

火災現場での現場検証を行う警察関係者ら=5月16日午前、朝霞市上内間木

 埼玉県朝霞市上内間木の内装会社「長葭(ながよし)内装」で5月、事務所兼作業場が燃やされ、同社社長の男性(43)が殺害された放火殺人事件で、朝霞署捜査本部は16日、建物の出入り口の鍵が作業場のキーボックス内に残されていたことを明らかにした。

 捜査本部によると、キーボックスからは出入り口の鍵が1本見つかったという。火災当日、消防が突入した際、ドアは施錠されていた。現場検証の結果、作業場のシャッターは手動で開け閉めできることも判明した。

 関係者の聴取などから、現場から持ち去られた物はなかった可能性が高いという。県警は仕事などのトラブルが殺害された原因とみて交友関係を調べている。

 事件は捜査本部設置から16日で1カ月。県警は事件発生の5月14日から捜査員延べ2147人を投入し、現場付近の207世帯360人に聞き込みを行ったほか、関係者からの聴取や現場資料の鑑定などを中心に捜査を行い、逃走した犯人の行方を追っているが特定には至っていない。

 男性は5月14日午前4時ごろ、都内での内装の仕事を終え、仕事仲間と4人で事務所に戻った。その後、解散した後に事件に巻き込まれたとみられている。同9時50分ごろ、通行人の女性(47)から「建物から煙が出ている」と119番があった。平屋のプレハブ建物が全焼した。

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