小田原の「JK」イベントに市が協力 公共施設に壁画描かせる 名称・企画に反発の声も市「女性蔑視の意図ない」

閉鎖された旧市民会館に描かれた「JK」イベントの壁画=小田原市本町

 地元団体が現役女子高生に限定し「JKまち活プロジェクト」と称して昨年に展開したイベントに神奈川県小田原市が協力し、市内の公共施設で壁画を描かせていたことが17日、分かった。イベントを巡っては「JK(女子高生)」の名称や企画意図に反発する声もあったが、市側は「女性を蔑視するような意図はなかった」と釈明している。

 小田原青年会議所が「若い女性の人口流出が続いている」として企画。女子高生に限定し21人が参加、地域活性化策を考えてもらった。市が事業を後援し、守屋輝彦市長も複数回出席して高校生と交流を深めた。

 壁画は昨年9月、主催者の要請から市が特別に許可し、一般市民が入れない状態の旧市民会館2階に描かれた。市未来創造・若者課は「若者活躍という趣旨に賛同した。市の事業としてJKの言葉を用いたとしても問題あることではない」と説明した。

 一方で「JKビジネス」など性的なイメージもあることから「(ジェンダー意識が高まる)今にJKを切り口にやるのか」「JKという言葉に嫌悪感を持った」など批判の声も上がる。旧市民会館を長年利用してきた男性は「市民全員で会館のお別れの会もやった後で、知らない間にこんな使われ方をされたのが悲しい」と憤っていた。

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