【角田裕毅F1第9戦密着】新PU投入でグリッド降格が確定。ドライビング改善にも注力、カギは「最終コーナーのシケイン」

 角田裕毅が(アルファタウリ)、F1第9戦カナダGPのフリー走行1回目に4基目のパワーユニットを投入した。今シーズンのF1は全22戦が予定されており、パワーユニットの主要4コンポーネント(ICE、ターボ、MGU-H、MGU-K)は年間3基までしか使用が許可されていない。今回、角田はその主要4コンポーネントすべてに4基目を投入。これにより、角田は日曜日の決勝レースで最後尾からスタートすることが決定した。

 年間22戦を3基で乗り切るには、単純計算で1基あたり7〜8戦は使用しなくてはならない。カナダGPは9戦目だから、まだ2基目のパワーユニットを使用していなければならないことを考えると、角田の4基というのは明らかに早すぎる。

 しかし、これはある程度、予想されていた事態だった。というのも、角田が2基目のパワーユニットを投入したのが第2戦サウジアラビアGPだったからだ。金曜日のフリー走行でトラブルに見舞われた角田は、土曜日に2基目のパワーユニットをすでに投入していた。

 さらにその2基目のパワーユニットが日曜日の決勝レース前のレコノサンスラップ中に問題を抱えてコース脇にストップ。第3戦オーストラリアGPでは早くも3基目を搭載していた。もし3戦目から3基目のパワーユニットで走行し続けていたとしたら、前戦アゼルバイジャンGPが6戦目となり、そろそろ替え時だった。というのも、カナダGPが行われるジル・ヴィルヌーヴ・サーキットはストップ&ゴー型のレイアウトであるため、エンジンへの負荷が高く、できればフレッシュなエンジンを投入したいからだ。その証拠に前戦のアゼルバイジャンGPと今回のカナダGPで、角田も含めて合わせて11人のドライバーが新しいICEを投入している。

2022年F1第9戦カナダGP 角田裕毅(アルファタウリ)

 最後尾グリッドが決まっているため、「日曜日のレースに向けて長い距離を走ることに集中している」と語っていた角田。フリー走行1回目は14番手、フリー走行2回目はさらにポジションを落として17番手という結果に終わった。ただし、これはロングランを行っていたことだけが理由ではなかった。

「ロングランをやっていただけでなく、クルマが持っているパフォーマンスを引き出すために、自分のドライビングも上げていかなくてはならないんですが、いまのところ、それがあまりうまく行っていないという感じです」(角田)

 角田が特に気にしていたのが、「最終コーナーのシケイン」だった。「難しい、でも楽しい」と語っていたシケインをどう攻略するか。カナダGPはまだ初日が終わったばかりだ。

2022年F1第9戦カナダGP インタビューに応じる角田裕毅(アルファタウリ)

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