野尻智紀が4戦連続のポール獲得。平川亮はトラフィックに泣き16番手に【SF第5戦予選レポート】

 6月18日、2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の公式予選が宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)が今季4戦連続、通算11回目のポールポジションを獲得した。

 昨年はウエットコンディションとなったSUGO大会。今年は各チームが搬入・設営を行う17日の午前中に雨が降ったものの、一夜明けた18日は朝からうだるような暑さに。午前中に行われたフリー走行の時点で気温は28度に達していた。

 公式予選Q1のA組は、山下健太(KONDO RACING)、大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(KCMG)、笹原右京(TEAM MUGEN)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(B-Max Racing Team)、佐藤蓮(TEAM GOH)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)の10名が出走。

 A組のセッションは定刻どおりの14時にスタートしたが、各車がコースインしてすぐに赤旗が提示される。コース上に小動物が入ってしまったことが原因で、14時5分にセッションは残り10分間で再開を迎えた。再開してすぐに阪口、山下、小林、宮田、平川らがチェックラップに向かい、残り時間が4分を切ったあたりから各車がアタックに入っていく。

 まずは、ル・マン24時間凱旋の平川からアタック開始。アウトラップの松下に引っかかってしまう場面もあったが、1分5秒751で暫定トップタイムをマークする。しかし、続いてコントロールラインに戻ってきた大津が1分5秒193と大きくタイム更新して逆転トップに。

 さらに、SUGOのレコードホルダー山本が1分5秒148で大津を上回る。この後、宮田と佐藤がベストタイムを記録したがこれには届かず、山本は今季初のQ1トップタイムでQ2進出を決定。以下、大津、宮田、山下、佐藤、松下がQ2進出を果たした。1回目のアタックで松下に引っかかってしまった平川は2周連続のアタックで自己ベストタイムを更新するも、1分5秒640で8番手。笹原、阪口、小林とともにここで予選を終えることとなった。

2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)
2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 平川亮(carenex TEAM IMPUL)

 続いて行われたQ1のB組は、野尻、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、国本雄資(KCMG)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、三宅淳詞(TEAM GOH)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が出走。

 A組の走行で路面にラバーが乗っていることもあるのか、B組ではトップタイムが1分5秒を切る争いに。まずはランキングリーダーの野尻が1分5秒015でトップに立つと、続いて、坪井が1分5秒176で2番手に。これを大湯が1分5秒046で上回った。次に関口がコントロールラインに戻ってきたが、1分5秒508とタイムが伸びず4番手。これを、フェネストラズが1分5秒057で上回り、坪井の上、3番手につける。

 続いて、最後にコースインした国本がここまでの最速タイムを塗り替える1分4秒954をマークしてトップに立ち、続いて福住が1分5秒075で5番手に。福住の次に戻ってきた牧野は1分4秒920で、1000分の4秒国本を破りトップタイムをマーク。これで福住はQ2進出圏内ぎりぎりの6番手にドロップする。

 残るはアレジだったが、アレジは1分5秒437にとどまり、これでセッション終了。牧野、国本、野尻、大湯、フェネストラズ、福住の6台がQ2進出を果たした。坪井は福住と0.1秒差で7番手。以下、アレジ、大嶋、三宅がノックアウトとなった。

 ポールポジション争いが繰り広げられるQ2で、まずアタックに入ったのは山本。しかし、セクター2でタイムを落とし、仕切り直しの連続アタックに入る。続いて佐藤がセクター1で17秒を切る速さを見せたが、SPインコーナーでリヤが流れてしまう。なんとかコースには踏みとどまったが、こちらも2アタック目に切り替えることに。これで、まずアタックタイムを記録したのは松下で1分5秒248をマーク。

 この暫定トップタイムを打ち破ったのは、これが今シーズン初のQ2走行となる福住で、1分4秒913をマークする。続いて大津が1分4秒785で逆転。さらにフェネストラズが1分4秒706までタイムを削りトップにおどり出た。しかし、これらを吹き飛ばすような驚きのタイムをたたき出したのが野尻だった。セクター3でひとり13秒台を記録し、1分4秒349と、フェネストラズに対し0.357と大差をつけてトップタイムをマークした。

 残る宮田は1分4秒832で4番手に。これで野尻の今季4度目のポールポジション獲得が決定。2番手はフェネストラズ、3番手は自己ベストリザルトとなる大津が入った。

 なお、Q2で10番手タイムを記録した松下に対し、Q1 A組セッションでの他車への妨害行為により、予選結果より2グリッド降格のペナルティが課せられることに。これにより、11番手タイムを記録した佐藤は10番グリッドから、12番手タイムを記録した山本は11番グリッドからスタートを迎えることとなった。

 53周で争われる第5戦決勝は、明日19日の14時30分にスタート予定だ。

2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 野尻智紀(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
10番手タイムをマークした松下信治(B-Max Racing Team)は2グリッド降格ペナルティが課せられることに
2022スーパーフォーミュラ第5戦SUGO 佐藤蓮(TEAM GOH)

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