ときめき夢テント・木下大サーカス岡山公演(2)ウィール・オブ・デス 危険な「死の大車輪」

「ウィール・オブ・デス」で、輪の外に立ち縄跳びをするポポフさん(左)とゴテフさん。終始ハラハラさせるのも演技力だ

 「死の大車輪」を意味する「ウィール・オブ・デス(WHEEL OF DEATH)」。その名の通り、数ある木下サーカスの演目の中で最も危険かもしれないと思わされる。

 直径2.4メートル、幅70センチの金属製の大きな二つの輪が、互いをつなぐ軸を中心に風車のように回り、男性2人がそれぞれの輪の内側や外側に立ってパフォーマンスを繰り広げる。輪の外側で逆立ちや目隠しをするなど次第に危険度は増す。輪は最も高い地点で地上15メートル。2人とも命綱を付けていない。

 「もし落ちたら…」と思ったそのとき、輪の外側で巧みに縄跳びしていた男性が縄に片足を取られた。「あっ」。客席から思わず声が上がるが、男性はすぐ体勢を立て直し、涼しい顔で縄跳びを続ける。ミスか演出か。終始ハラハラさせられるショーだ。

 演じ手はブルガリア出身の兄弟。「危険だからこそインパクトは大きい」と話す兄のポポフ・コスタディンさん(42)は、木下サーカスによると、このショーで難易度の高い技をできる世界でも指折りのパフォーマーだという。

 ウィール・オブ・デスは1人だけでもできるが、2人の方が輪が回る速度が上がり、よりダイナミックになる。一方で加速し過ぎれば振り落とされる。海外のサーカスでは、演技中に落下して亡くなった人もいるという。

 「怖くないと言ったらうそになる。でも、それをはるかに上回る楽しさがあるのがこの演技さ」と笑うポポフさん。弟のゴテフ・ディミタールさん(30)との息のぴったり合った演技で客席を盛り上げる。

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 「木下大サーカス岡山公演」(山陽新聞社主催)は26日~9月7日、岡山市北区北長瀬表町の岡山ドーム東隣特設会場で開かれる。前売り券は大人3千円(当日券3500円)、3歳~高校生2千円(同2500円)など。問い合わせは木下大サーカス岡山公演事務局(086―241―0045)。

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