【追う!マイ・カナガワ】高校の健康診断、なぜ脱衣? 女子生徒から「セクハラ」の声

高校の健康診断、なぜ脱衣?

 「うちの学校の健康診断は下着を脱いで、衣服を胸の上まで上げる。セクハラだと思う」。交流サイト(SNS)上で県立高校に通う女子生徒とみられるアカウントが健診の実情を明かした。「追う! マイ・カナガワ」取材班にも、投稿を見た読者から「この件をぜひ取材して」との依頼が相次いで寄せられた。生徒の訴えに共感が広がっているようだ。

◆「上半身全部脱がされた」

 投稿は5月中旬。今年の健診を前に、昨年自らが経験した健診について、問題視する訴えだった。「男性医師の前で衣服をガバっと上げる」「プライバシー侵害だし、セクハラだと思う」。一連の発信は計2千件近いリツイートで拡散され、「そのやり方はおかしい」「私も上半身の着衣を全部脱がされた」などといった返信が集まった。

 同校の複数生徒に話を聞くと、ある女子生徒が「私も不快な気持ちになった」と打ち明けてくれた。

 昨年行われた健診では、女子が更衣する待合室のホワイトボードには「ワイシャツの上に着ているものは脱ぐ」「ワイシャツのボタンは外しておく」「ブラジャーのホックを外しておく」との指示が記されていたという。

◆チェックは2秒、募る不信

 女子生徒は中学時代の健診では下着を外す必要はあっても、医師は聴診器を体操着の上から当てることで配慮してくれた。だからこそ昨年は強い拒否感を抱いたが、「休むわけにもいかず、仕方なく受けるしかなかった」という。

 男性医師の前に立つと、女性看護師から下着をたくし上げられ、聴診器を当てられた。チェックはわずか1~2秒、胸に聴診器を当てるだけだったといい「脱がされる意味はあるのか」との不信感が強まった。

 脱衣の必要はあるのか。学校や文部科学省、教育委員会、医師らを取材した。

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