朗読劇「世界から猫が消えたなら」初日公演には、梶裕貴, 駒田航, 山下七海, 中島ヨシキ, 土田玲央, 西山宏太朗、生きること、大事なこと。

2013年本屋大賞にノミネート。文庫化・コミックス化、映画と展開。世界累計発行部数200万部を突破したベストセラー『世界から猫が消えたなら』(著:川村元気)が、6月18日より朗読劇でシアター1010。
僕(主人公)・悪魔・彼女・親友・猫の5人で構成される今回の公演。上演回ごとに顔ぶれが変わる配役の豪華さも注目も一つだ。
映画は佐藤健&宮崎あおい共演、岡田惠和が脚本、永井聡監督がメガホンをとった。こちらも観ている、という方も多いだろう。
初日となる18日午後の回には、『進撃の巨人』エレン・イェーガー役、『七つの大罪』メリオダス役などで主役を務める人気声優、梶裕貴が主人公を演じ、『ヒプノシスマイク』シリーズに出演してい駒田航が出演。

舞台上にはイラストタッチの街並み。中央に椅子。まず登場したのは主人公を演じる梶裕貴。「もしもこの世界から猫が消えたなら」、そして主人公のモノローグで始まる。医者に行って驚愕の事実を知る、余命いくばくもないことを。まだ、30歳、主人公を演じる声優が座る椅子の周りを小さな電車が走る。「月曜日、悪魔がやってきた」この悪魔、なぜかアロハシャツを着ていて、なんだかチャラい。この悪魔を演じるのが駒田航。ふざけた調子で「悪魔です」。

彼は主人公に死が近づいていることを知っている、「やりたいことリスト」を主人公に作らせたり。「ガンダムに乗る〜」と笑う悪魔。そして何か一つを失えば命を1日くれるという悪魔。まず『電話』、なくなる前に1回だけ使えると言う。3年前まで付き合っていた彼女に電話をする。そして電話が消えた。次の日、火曜日、彼女に会い、いろんな思い出話をする。自分の命が長くないことを彼女に告げる、「死ぬかもしれない」「ふーーん」彼女は主人公に言う「トイレ長すぎ、ため息多すぎetc.」彼女とは電話でよく話した、と主人公。

自分の命があとわずか、と言うことを知り、悪魔が現れたところで、主人公は様々なことを思い出し、気づきを得ていく。そして悪魔は言う「次は映画、消しましょう」と明るく言う。
物語はストーリー通りに進行する、主人公以外の声優陣は自分の場面が終わると一旦、舞台上から去る。演じる声優陣がずっと舞台上にいる場合もあるが、ここでは違う。ただ、主人公役はずっと舞台上にいる。ここは演劇的な演出、節目には舞台上を小さな電車が走り、街の家々に灯りが灯り、ちょっとファンタジックな空気感を醸し出す。

初日の布陣は主人公に梶裕貴、悪魔は駒田航、彼女役、主人公の母親役を演じるのは山下七海、親友は中島ヨシキ、猫は土田玲央という顔ぶれ。心の揺れ、死への恐怖、何事にも不器用そうな主人公を梶裕貴が安定感のある演技で観客の涙を絞る。そして主人公が「アロハ」とあだ名をつけた悪魔を駒田航が軽薄そうでいて実は案外狡猾そうな感じを醸し出して演じる。この2キャラは服装は物語の設定通りの格好をしている。山下七海は彼女と母親を演じ分けるのだが、彼女の時はややあっけらかんと、そして母親を演じるときは情感たっぷりに。中島ヨシキの親友、主人公に「生きていてほしい」の言葉が響く。

そして猫のキャベツ、途中から人間の言葉を喋ると言う設定、「〜でござるよ」とヘンテコな日本語を喋るのだが、土田玲央が愛嬌たっぷりに、そして表情豊かに。だが、最後の方で主人公に語りかける場面では、感涙するほどの悲痛な面持ちで。
人生最後の1週間、当たり前だと思っていたもの、こと。食べ物、飲み物、寝るところ、人は衣食住だけでも確かに生きていける、それは間違いないし、正しい”見解”。1週間で消えていくもの『電話』『映画』『時計』など、次から次へと失くなっていく。その中で主人公は過去を振り返り、家族など『人』を想う。生きている証、生きること、自分の存在、他者との関わりと自分、死ぬとわかってから気がつくこと。切なく、胸がギュッとする物語、これを声の力で観客に。だから響く、だから思い出す。配信でもエモーショナル。劇場で観るなら、配信でも追体験をしても。

あらすじ
脳腫瘍で余命わずかと宣告された30歳の郵便配達員の青年の前に、青年とそっくりな悪魔が姿を現わす。悪魔は青年に、大切なものと引き換えに1日の命をくれるという。電話や映画、時計など大切にしてきたものが次々と失われていく中、青年は元恋人と再会を果たし、かつての思いや別れの時を思い出していく。親友や疎遠になった父の思いに触れ、亡き母が残した手紙を手にした青年は、人生最後の日、ある決断を下す。

CAST

梶裕貴/中島ヨシキ/天﨑滉平/佐々木望/細谷佳正/
緒方恵美/和田琢磨/浅沼晋太郎/神尾晋一郎
悪魔
駒田航/西山宏太朗/天﨑滉平/土田玲央/高崎翔太/濱 健人/
緒方恵美/佐々木望/林勇/檜山修之/置鮎龍太郎
彼女
山下七海/青山なぎさ/飯田里穂/田中美海/
上田瞳/星南のぞみ/伊藤かな恵/藤田咲
親友
中島ヨシキ/土田玲央/ランズベリー・アーサー/檜山修之/
高崎翔太/沢城千春/米内佑希/林勇/伊万里 有
猫(キャベツ)
土田玲央/駒田航/洲崎 綾/濱 健人/飯田里穂/星南のぞみ/
山下七海/伊藤彩沙/下田麻美/田中美海/青山なぎさ/大平峻也

STAFF
原作:川村元気 (「世界から猫が消えたなら」マガジンハウス刊)
脚本・演出:村井雄(KPR/開幕ペナントレース)
美術:竹邊奈津子 舞台監督:中西輝彦/浅見拓 照明:鶴田美鈴 音響:野中明
衣裳:雲出三緒 ヘアメイク:dot 演出助手:宮内愛美
宣伝美術: Flyer-ya WEB制作:EASTEND CREATIVE
制作:OfficeENDLESS プロデューサー:下浦貴敬
協力:特定非営利活動法人 あだち動物共生ネットワーク
主催:朗読劇「世界から猫が消えたなら」製作委員会
公式HP:https://officeendless.com/sp/reading_sekaneko/

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