「マスク絶対外せとは…」指導に悩む教育現場、着用に慣れためらう子も 福井市で熱中症疑い小学生20人搬送

 6月17日に児童20人が熱中症疑いで搬送された福井市湊小学校では、校外学習の移動時に担任らがマスクを外すよう指導したものの全員が外すことはなかったという。福井市教育委員会の担当者は「マスクを着けることに慣れて、外すのをためらう子もいる。強制もできず悩ましい」と話す。体温調節機能が未熟な子どもは大人より熱中症のリスクが高く、小児科医は「マスクだけでなく、水分補給などの対策を子どもたちに繰り返し説明してあげることが大切」と強調する。

 学校生活のマスク着用に関し文科省は10日、熱中症対策を優先した指導を行うよう各自治体に通達。福井県教育委員会は今回の児童搬送を受け17日、熱中症を注意喚起する通知を市町教委に出した。福井市教委も全小中学校に対し、体育や登下校時などリスクが高い場合はマスクを外すよう指導することを通知した。

⇒大阪大学特任教授、コロナ5類相当に引き下げるべき

 一方で、福井市内の教諭は「これまで常にマスク着用を指導してきた。今の感染状況をみても絶対外せとは言えない。特に女の子は外さない印象で、そのような子は熱中症にならないか注意深く見ておくしかない」と漏らす。福井愛育病院子どもの心診療部の春木伸一医師は「子どもたちの年齢に応じて、マスクを外す必要性を繰り返し呼び掛けてほしい。徐々に慣れさせてあげることで外す率も増えていくのでは」と話した。

 県コロナ対策チームは「近くで会話する際はマスクが必要で、屋外のような暑い場所ではマスクを外して会話を控えるなどメリハリが大事」としている。

© 株式会社福井新聞社