開催?中止? 神奈川の花火大会 各地で判断分かれる 「一定のリスクあるが、社会を前に進めることも必要」

約1万発が打ち上げられたあつぎ鮎まつり大花火大会=2019年8月、厚木市厚木の相模川河川敷(同市提供)

 新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せる中、神奈川県内でも少しずつイベントが再開されているが、今夏の花火大会の開催については各地で判断が分かれている。不特定多数の観光客らが広範囲にわたって集まり、十分な感染防止策を講じるのは難しいとして断念するケースもある一方、厚木市と平塚市では開催を決定した。関係者からは「一定のリスクはあるが、社会を前に進めることも必要」といった声も上がる。

 夏夜を彩る大輪が印象的な写真が、厚木市ホームページに掲載された。あつぎ鮎まつり大花火大会の3年ぶり開催が決まり、市担当者は「実行委員会でも開催を望む声が多かった。少しでも地域を盛り上げたい」と、準備を進める。

 同花火大会は、最後に開催された2019年には約54万人(主催者発表)が訪れた。当時は1時間半で約1万発が打ち上げられたが、今回は1時間に短縮。会場周辺の露店は100店舗ほど減らして約200店舗を予定し、感染リスクの軽減を図るという。

 国はイベント開催に向けて感染防止策の具体的な取り組みについて示し、主催者側にはマスク着用による飛まつ抑制や消毒などの基本的対策に加え、入場券販売時または入場時に来場者の連絡先を確認するなど入場者の管理・把握が求められる。

 同花火大会では、有料予約席を約900席増の約8千席とし、予約不要の無料エリアを縮小させる方向で検討。来場者には接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の利用を呼びかけるという。湘南ひらつか花火大会の開催を決めた平塚市も、会場の限定化や席の有料化などを検討している。

© 株式会社神奈川新聞社