半年後のカタールワールドカップに向けた強化試合として組まれた6月シリーズ4連戦。
森保一監督率いる日本代表は、パラグアイ、ブラジル、ガーナ、チュニジアと対戦し、2勝2敗という成績に終わった。
本大会への選考も兼ねた今回の代表活動。その中で、評価を下げてしまった選手を6名ピックアップした。
川島永嗣
所属のストラスブールでは今シーズン、1月のメス戦1試合に出場したのみ。
日本代表では3月のベトナム戦に続き今回のガーナ戦で先発を果たしたが、パフォーマンス的には低調に終わった。
ストラスブールでも今季33試合にベンチ入りはしているように、控えGKとしての振る舞いやピッチ外でチームに与える影響の大きさは感じられる。
ただ、近代の守護神にとって大事なビルドアップ面ではやはり拙さが目立っており、本大会で出場機会が訪れた際の不安感は拭えない。
吉田麻也
4連戦の最後のチュニジア戦では敗戦につながるミスを連発してしまった吉田麻也。
以前「2021年に評価を下げてしまった選手」で取り上げたように、ミスの質の悪さが昨年から目についており、それがまさに顕在化してしまった試合だった。
キャプテンとしてチームに欠かせない存在であることは間違いないが、とはいえ本大会では一つのミスが命取りとなる。
板倉滉の台頭が著しいことを考えると、冨安健洋や谷口彰悟などを含めセンターバックの起用法については選択肢を持つ必要がある。
南野拓実
左サイドが南野拓実のポジションではないことがはっきりした6月シリーズだったと言えるだろう。
幅を取ってボールを持った際の期待値の低さは、仮に三笘薫の存在を忘れるとしてもチームとしてプラスの効果を生み出せていない。
南野本来の“怖さ”を見せられるのはやはり中央であり、本人もそれを自覚しているからこそ早く中央へ入りすぎて機能不全が起きるシーンが目立っている。
リヴァプールに所属し、森保ジャパンでは大迫勇也とともに最多の17得点を記録。実績があるからこそ使い方が悩ましい。
久保建英
A代表17試合目で待望の初ゴールを記録した久保建英。
このガーナ戦では堂安律や山根視来とのコンビネーションが良好で、久々に日本代表で持ち味を発揮できた試合となった。
ただ、4連戦初戦のパラグアイ戦、さらに初ゴール後のチュニジア戦でも中央の狭いスペースで崩しを狙うシーンが多く、主体的に状況を好転させたような印象は薄い。
日本代表の課題であるプレースキックでも違いを見せられておらず、メンバー入りに向けた好材料はそれほど多くないのが現状だ。
古橋亨梧
怪我でピッチを離れていた影響もあり、昨年11月以来の日本代表招集。
ゴールを量産したセルティックでのパフォーマンスから活躍が期待されたが、ガーナ戦を除く3試合に出場、ノーゴールという結果に終わった。
ストライカーとしてブレイクしたヴィッセル神戸時代から、パサーとの関係性で多くのゴールを生み出してきた古橋亨梧。
代表ではその信頼関係を築く時間の少なさから苦戦をしている面が強く、本大会まで半年しかないことを考えるとメンバー入りにやや暗雲が漂っている。
上田綺世
チュニジア戦を前に負傷離脱してしまったため、6月シリーズはガーナ戦1試合のみの出場。ボールを呼び込む動きにより作り出したスペースで結果的に複数のゴールが生まれた。
ただ、やはり今回も上田自身のゴールは生まれず。柴崎岳の絶妙クロスからのヘディングシュートもGK正面だった。
Jリーグではプロ入り時から常に一定の結果を残している一方、代表レベルでは五輪代表を含め、決定機がありながら外し続けている。
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森保一監督の信頼はいまだに厚いが、現状のパフォーマンスでは新たなストライカーが台頭した場合一気に苦境に立たされる可能性は否めない。