保育園への5億1000万円誤支給で 東京・葛飾区長が謝罪…「全額返還請求」は撤回

東京・葛飾区が誤って保育園に補助金を多く支給していた問題で、区は6月17日に説明会を開きました。区長は園長らに謝罪し、全額の返還を求める方針を撤回しました。

この問題は葛飾区内の私立認可保育園に対してパート保育士の雇用を補助するために支給していた補助金を、保育士の数を誤って実際の2倍として計算してしまい、多く支給していたものです。17日に開かれた説明会の中で葛飾区の青木克徳区長は「今回の件は『区のミス』とはっきりと申し上げている。区が全面的に間違えたわけであり、結果として皆さまにもご迷惑をお掛けした。申し訳ございません」と謝罪しました。

金額についてはこれまで「数億円」とみられていましたが、葛飾区は17日、2018年度から4年間にわたっておよそ70園に対し、合わせて5億1000万円余りを誤って支給していたと説明しました。

また、区はこれまで保育園に全額の返還を求めていましたが、その方針を撤回しました。青木区長は「保育の充実に向け、保育士の雇用に活用した補助金については返還を求めない方向で調整、検討していきたい」と述べ、全額の返還要求から一転し、人件費として使った補助金については返還を求めない方針を示しました。青木区長はまた「かなりの金額について返還を求めないことになるので、いろいろな議論はあると思う」とした上で「結果として子育てが充実したという点では、最終的にはやむを得ないのかなと私は思っている」と語りました。

説明会に参加した保育園の園長からは「保育園を廃業しないで済む。区と手を取り合って生き残れたという安心感を得た」など、今回の返還免除の方針に安堵(あんど)の声が聞かれました。返還免除について、葛飾区は区議会で今後審議し、園に対して夏ごろには精査した回答をする方針です。

<区長の給与減額、チェック体制の見直しも…>

今回の問題について青木区長は区の責任として、区長自身の給与の減額を検討していると明かしました。また、問題が起きても4年にわたって気付けなかったことを受け、システム設計やチェック体制などを見直すとしています。

© TOKYO MX