<高校サッカー>昌平が4年ぶりV 前半2得点、接戦制す 成徳大深谷に2―1/県総体決勝

昌平―成徳大深谷 前半ロスタイム、2点目を決めた昌平の平(23)が篠田(11)らチームメートと喜ぶ

 (最終日、19日・NACK5スタジアム大宮)

 決勝を行い、昌平が2―1で成徳大深谷との接戦を制し、4年ぶり4度目の優勝を決めた。

 昌平は前半18分、篠田が先制ゴール。同ロスタイムには、平が2点目を挙げた。

 成徳大深谷は後半9分に和光が1点を返したが、追加点を奪えなかった。

 昌平は全国高校総体(7月24~30日・徳島)に出場する。

■備わった勝ち切る力

 苦しみながら、大本命の昌平が一発勝負のトーナメントを勝ち切った。藤島監督は「全国でチャレンジできる機会を勝ち取るのは大切なこと。粘り強く勝ち切ることがチーム力を向上させる」と選手たちの頑張りに賛辞を惜しまなかった。

 大きな展開とロングスローから得点を狙ってくる成徳大深谷に対し、簡単に外へ蹴り出さないことを徹底した。安定した立ち回りと空中戦で強さを発揮した主将のDF津久井が守備陣を統率し、自陣に押し込まれる時間を最小限にとどめた。

 「結果的によかったかもしれないが、相手に付き合ってしまった」と指揮官が振り返るように、珍しくロングボールも多用。前半は硬さが見えた相手に対して球際やセカンドボールへの出足で上回り、主導権を握る要因となった。

 昨年も圧倒的な地力の高さを備えながら、県高校総体で正智深谷に、選手権予選では武蔵越生に不覚を取った。津久井は「埼玉を勝ち切ることは難しい。その中で後ろが最後まで粘ることは今年のよさ」と胸を張る。

 「客観的に昌平らしさと捉えられている部分に加え、個の打開力で楽しみな選手が多い。主導権を取ることをより強調したい」と藤島監督。これまでになかった力強さを身につけた昌平のサッカーを、全国各地の強豪に見せつける瞬間が今から楽しみだ。

前半15分、成徳大深谷の秋本がシュートを放つ

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