ハンセン病 人権侵害の実態解説 岡山県庁でパネル展 7月1日まで

ハンセン病問題の啓発パネルが並ぶ会場

 国の「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」(22日)に合わせ、岡山県は20日、瀬戸内市・長島の国立ハンセン病療養所・邑久光明園と長島愛生園で行われた人権侵害の実態などを解説した啓発パネル展を県庁1階県民室で始めた。7月1日まで。

 17点のパネル(各縦約1メートル、横約0.7メートル)を展示。光明園で入所者が逃げ出すのを防ぐためにお金の代わりに発行した「園内通用券」や、隣接する愛生園で逃げ出した人らを収容した懲罰施設「監房」など、国の隔離政策の下で使われていた物品や建物を写真付きで紹介している。

 その上で、強制隔離の根拠となった「らい予防法」が1996年まで維持された点を説明し、「このような法律を作らないようにしなくては」と訴えている。

 両園の入所者が体験した差別などを題材に、県が今春制作した啓発アニメの上映もある。25、26日は閉庁。

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