伝統料理「血イリチー」熱いうちに ちゃんぷるー食堂(金武町)<うちなー味まーい>54

 年中食べられる店がなかなか見つからない血イリチー(チーイリチャー)は豚肉とその血を使った伝統料理だ。金武大橋近くの「ちゃんぷるー食堂」はコクのある深い味わいが人気で、午後1時に売り切れることもある。

 新型コロナウイルス対策に追われたが、3月に通常営業を再開した。アルコールでテーブルを念入りに磨くのはマスターの玉城保男さん(70)だ。「弁当もやってみたけど、やっぱり熱いのがおいしいね」。

 母親の故郷である金武町は豚を大切にする土地柄だ。以前は名護市で居酒屋「玉ちゃん」を経営していたが、信頼する料理長である妻・紀美子さん(66)の体調を考え7年前に心機一転、昼間の食堂に転身した。

 それでも客足は絶えない。「名護や中南部からも来るから断れなくてね。閉店後に開けたこともある」と笑う。手狭だったため、自ら作業着に着替えて増築し、テーブルが4卓しか入らなかった店の面積を倍に広げた。

 「ちーいりちゃー定食」は900円。数種の豚肉とダイコン、ニンジン、ニラ、キャベツに、豚の血が加わる。早朝から数時間をかけて煮込む。おかず定食(750円)や各種そばも人気だ。営業は午前10時半~午後3時ごろ。売り切れ次第終了。月曜定休。金武町金武10458。(電話)080(6485)3883。

(増田健太)

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