トヨタ車598台に点検整備などの違反、国交省北陸信越運輸局が新潟トヨタ自動車株式会社(新潟市中央区)に行政処分

新潟トヨタ自動車新潟店(新潟市中央区)

国土交通省北陸信越運輸局は21日、新潟トヨタ自動車株式会社(新潟市中央区)において違反行為があったとし、行政処分を行うとともに事業の改善を指示したと発表した。新潟トヨタ自動車が5つの事業場において、合計598台の自動車において点検整備などの違反行為を行ったことに対し、指定の取消、保安基準適合証の交付停止、自動車検査員の解任の行政処分を行った。

新潟トヨタ自動車が違反をおこなっていたのは、新潟店(新潟市中央区)、レクサス新潟(新潟市西区)、三条店(新潟県三条市)、豊栄店(新潟市北区)、新津店(新潟市秋葉区)の5事業場。このうち新潟店とレクサス新潟は、「指定の取消」の行政処分となった。

「保安基準適合証等の交付停止」の行政処分となったのが3事業場で、三条店が40日間、豊栄店が30日間、新津店が25日間。なお、違反を行った事業場以外の同社事業場(9店舗)においても、5日間の「保安基準適合証等の交付停止」処分となった。また、「自動車検査員の解任」が、新潟店で2人、レクサス新潟で2人、新津店で1人の行政処分となった。

主な違反としては、点検整備を適切に実施せず保安基準適合証を交付(新潟店、三条店、豊栄店で21台)、故意により検査の一部を実施せずに適合証を交付(新潟店、レクサス新潟で310台)、故意により保安基準不適合状態で適合証を交付(新津店で1台)、指定整備記録簿を虚偽記載(新潟店で281台)があったという。

違反が行われていた期間は、2020年3月10日から今年3月9日まで。3月8日と9日に北陸信越運輸局の立ち入り監査があり、違反が発覚したもの。

北陸信越運輸局自動車技術安全部の担当者は、「合計598台と非常に多い台数で、かつ違反行為が同じ事業者の複数の事業場で行われた。過去にない違反であり、非常に重く受け止めている」と話した。

一方、新潟トヨタ自動車の担当者は、「行政処分の通りに受け止めさせていただく」と話し、違反が行われていた原因については、「慢性的な人員不足で高付加がかかり、適切な検査時間の確保ができていなかった。今後は会社として経営陣が先頭に立って改善していきたい」と話した。

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