ムスリム墓地問題 日出町議会「継続審査」動議も 大分

 日出町で計画が進むムスリムの土葬墓地建設について、反対する杵築市の住民が日出町議会に提出していた陳情が、継続審査されることで可決しました。また、建設計画にかかる費用が盛り込まれた一般会計補正予算案をめぐって動議が提出される一幕もありました。

 日出町南畑の町有地で建設計画が進むイスラム教徒向けの土葬墓地については、近くの水源からの水を飲料水などとして利用する杵築市山香町下切地区の住民から反対の声が上がっています。4月に、地区の住民から予定地に反対する陳情が日出町議会に提出されていました。担当する委員会では、町長や別府ムスリム協会などの関係者が集まり、予定地と水源を視察するよう調整している段階であることから、この陳情を「継続審査」としたことを報告し、議会はきょう全会一致で可決しました。また一般会計補正予算案に、建設予定地となっている町有地の売却価格を決めるための土地鑑定委託料およそ35万円が含まれていて、採決の際、この予算案をめぐる動議が提出されました。

 岡山栄蔵 議員
 「条例に基づき進めているということですが、近隣の市、または近隣住民の理解を得ずに進めていることは理解ができません」

 土地鑑定料を差し引いた予算案を提案する修正動議については賛成少数で否決に。一方で、この予算案が可決されたことで建設計画が加速する可能性があることについては、住民に丁寧に説明し理解を得られるようにしてほしいと議会が要望しました。これを受けて、日出町の本田博文町長は。

 本田博文 町長

 「説明はもとよりするつもりだった。しっかり努めていきたい。(Q建設予定地に出向く意向は)参りたいと思う」

 下切地区の住民を代表する杵築市議会の渡辺議員は「現地視察で本田町長にこちらの意見をしっかり伝えたい」と話しています。

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