【日本移民の日特集号】《記者コラム》ルーツを知り、初恋を超える刺激

 「君はウルクンチューだ!」――先日、伯従父(いとこおじ)から食事に誘われた際、ルーツや先祖に興味があることを伝えると、いきなりそう言われ、背筋に衝撃が走った。自覚があまりなかったコラム子には最初、それが何を意味するのかもよく分からなかった。
 三世であるコラム子は4月、ブラジル日報で働くためにサンパウロ市に出てきた。以前からルーツに興味は持っていたが、地方都市に住む父はコミュニティのことに詳しくなく、ネットで調べるのも容易ではないので諦めかけていた。
 そんな折、サンパウロ市で伯従父に久々に会ってそう言われた。先祖がどういう人たちで、どこでどんなことをしていたのか、ブラジルへ渡ってから何をしたのかなどの話を聞かせてもらった。まるで乾いたスポンジが吸い込むように、家族の歴史が自分の中に入ってきた。
 幼いころからルーツの大事な部分に空白を感じていた。今回埋まったのは空白のごく一部だと思う。だが大変有意な第一歩であり、かけがえのない道しるべを胸に刻んだ気がする。今までで最高の感動、人生で一番大きな衝撃であった。初恋を告白した時よりも心臓がドキドキした。
 ルーツをより深く理解するため、積極的に沖縄関連のことに関わっていきたい―そう胸に誓った。(仲村渠アンドレ記者)

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