ガクチカのない就活(6月22日)

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 就職活動の採用面接で、「学生生活で力を入れたこと」を必ず尋ねられる。勉強以外を指し、「ガクチカ」と表現される。この二年、コロナ禍で思うような生活を送れなかった就活生が悩まされているのが、ガクチカの乏しさだという▼いわき市の大学四年の男子学生は、サークル活動やアルバイトをほとんどできなかった。災害ボランティアに参加したかったが、県外への移動が制限され諦めた。面接官に好印象を与えられるようなエピソードがない。最近では焦りも出てきたそうだ▼今月解禁された就活はすでに中盤を越えているのか。就職情報会社の先月一日時点の調査で、大学生らの内定率は65%に上り、現行ルールになって過去最高だった。オンライン面接を対面に戻す動きが加速している。互いに表情や反応が読み取れるため、歓迎する向きは多いようだ▼「生きる力」が柱の教育を受けた人たちは「ゆとり世代」と呼ばれたりする。昨今の学生は「コロナ世代」とされるかもしれない。就職すれば、経験したことのない事態への対応力が求められる。不自由な生活を乗り越えた知恵と工夫、我慢強さを力に変え、実社会を歩んでほしい。たくましく。