「長崎を最後の被爆地に」核禁会議 長崎市議会議長の深堀さんスピーチ

「『長崎を最後の被爆地に』と訴え続ける」と力強く語る深堀さん=ウィーン

 長崎原爆の被爆者で長崎市議会議長の深堀義昭さん(77)が21日、核兵器禁止条約第1回締約国会議であった非政府組織(NGO)主催のサイドイベントで「長崎市民は『長崎を最後の被爆地に』と訴え続ける」と力強くスピーチ。聴衆から拍手が沸き起こった。
 深堀さんは当時生後約7カ月。原爆投下から約10日後に自宅がある坂本町(当時)に戻り、入市被爆した。代々カトリック信徒で、神学生だった18歳上の兄は爆死したという。
 スピーチでロシアのウクライナ侵攻に触れ「3度目の核兵器が使われることは絶対に許されない」と訴えた。2019年に来崎したローマ教皇の「戦争のために核を使用することは、犯罪以外の何ものでもない」との言葉を紹介。核兵器廃絶のため「締約国会議を力を合わせて成功させなければならない」として「ノーモア長崎」と語りかけた。
 スピーチを聞いたドイツ人のミシェル・ベンジングさん(25)は「ドイツでは被爆者の体験を聞くのは難しい。カトリックの話などとても胸に響いた」と話した。


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