棚の奥から見つめる小さな「影」は…アカヒゲ 国指定天然記念物が工房に営巣 沖縄・大宜味

 【大宜味】沖縄県大宜味村喜如嘉の木工房「椋(むく)」で、国指定天然記念物のアカヒゲが物置棚に巣を作り、卵を温めている。工房の主の山川均さん(60)は「うるさい環境なのに、逃げるでもなくそばで作業を見守っている」と不思議がる。

 営巣に山川さんが気付いたのは、仕事で工房を留守にし約10日ぶりに戻った18日。普段通りに万能機で木材を切っていると、1メートルほど先にある高さ約1メートル30センチの棚の奥からこちらを見つめる小さな「影」と目が合った。

 棚に置いた木材の後ろに巣ができていた。以前から壊れた換気扇の隙間を通ってアカヒゲが出入りし、巣の跡を見つけたこともあるが「こんな近くに作ったのは初めて」。観察すると卵は2個ほど。つがいで出入りし、1羽は立てた木材の先で「見張り役」をすることもあるという。

 万能機の大きな音が気になる山川さん。「卵の生育に響かないか心配だが、仕事しない訳にもいかない。無事にひながかえるといいのだが」とやきもき。当のアカヒゲは怖がるでもなく、卵を温めながら山川さんを静かに見守っている。卵がふ化し、ひなが巣立つまで両者の見守り合いはしばらく続きそうだ。

 (岩切美穂)

【関連記事】
▼【かわいすぎ】路上で眠るメジロ、ジョギング男性が肩に乗せ「救出」
▼感染しニャい?黒マスクの子ネコがやってきた
▼「マグロが海に落ちている」ドライブの夫婦が発見、素手で生け捕り
▼【動画と写真】いけすの水を抜いたら…出た!巨大スッポン
▼イノシシの子?いいえ山芋です! 頭の毛までそっくり
▼「出逢えたキセキ」キーちゃん3度目の飛来 今度は載った新聞を見るため?
▼虐待され衰弱した猫…愛のリレーで命を救う 助けた児童ら5人を表彰

© 株式会社琉球新報社