昨年のアマチュア横綱、日本体育大相撲部4年のキャプテン、中村泰輝(だいき)選手(22、石川県津幡町出身)が母校の海洋高で教育実習を行っている。卒業後のプロ入りを予定する「角界注目の選手」は、学校の教育現場で経験を積み、自身の相撲人生に生かす。
日本体育大1年時に全日本学生選手権を制し、3年時の昨年12月に全日本選手権で初優勝。学生横綱とアマ横綱のタイトルを獲得した。現在は幕下15枚目格付け出しの権利を得ている。193センチ、170キロの体を生かしたスケールの大きい突き押し相撲が身上。
約1年ぶりに母校に戻ったという同選手は大きな体で行く先々で目立つ。通学見守り隊の地域住民に声を掛けられ、校内では以前からいる先生から「未来の横綱」との声も。保健体育の授業を受け持ち、生徒に相撲も教えている。放課後は相撲部の後輩と一緒に稽古をこなし、「積極的に話し掛けている」という。
卒業後のプロ入りに備え、「けがなく1年を終え、次のステップを踏みたい」と見据える。力を入れているのが筋トレといい、大学では稽古後、民間のジムに週5~6日通い、深夜までトレーニング。ベンチプレスは190キロを挙げ、脚力と背筋力を特に鍛えている。
高校を出てすぐプロ入りする選択肢もあったが、「大学へ行って良かった。いろいろなことを経験でき、体のことや栄養、食事面を勉強し、プラスになった」と捉える。キャプテンとして今季は全日本インカレ団体2連覇が大きな目標だ。実習が終わってすぐにアメリカへ渡り、ワールドゲームズ(7月7~17日、バーミングハム市)の世界大会に日本代表として臨む。
中高、大学の先輩に当たり、能生中2年の時から見てきた海洋高相撲部の村山大洋監督(30)は「中学、高校で厳しく稽古し培ったものが花開いている。物が違う。楽しみでしかない」と大きな期待を寄せている。