高い共感力、悩み抱えるHSP「犬の絵で元気届けたい」 福井の女性が個展実現、SNSで募った100匹カラフルに

特徴をとらえながら色彩鮮やかに仕上げた犬の絵=福井県の福井市下馬中央公園

 交流サイト(SNS)で募った犬100匹の似顔絵を描き、披露する個展を福井県の福井市美術館で開こうと市内の女性が準備を進めている。自身がHSP(Highly Sensitive Person=敏感過ぎる人)という気付きから、同じような悩みを持つ人や新型コロナウイルス下で落ち込む人たちに元気を届けようと企画。6月24~26日の開催に向け、犬の特徴をとらえたカラフルな絵を次々と仕上げている。

 女性はインスタグラムで活動するWanさん(27)。

 共感力が高く、職場で他人が怒られている際、自分にも非があるように感じたり、他人を優先してしまったりと、日頃から疲れやすさを感じていたというWanさん。「自分がおかしくて、誰にも理解されないと思っていた」が2020年春ごろ、本を読んでHSPを知った。

 「こういう考え方があるんだ」。自分と向き合う時間が増え、心に余裕が生まれたという。そこで昔から好きだった犬と絵を描くことを合わせ、見た人を元気づけるような個展の開催を思いついた。今年2月末から1カ月間、クラウドファンディング(CF)で資金を募り、目標40万円を大きく上回る100万円以上の支援を集めた。

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 100匹の犬はSNSで犬種ごとに募集し、1匹ずつデジタルペイントで描く。飼い主から性格やチャームポイントなどを聞き取り「リアルだけど絵でしか表現できない色使い」でカラフルに仕上げている。飼い主の好きな食べ物や景色を一緒に描くなど、遊び心も忘れない。「その子らしさを出し、家族に喜んでもらいたい」

 個展開催後は、県外に出てさらに活動の幅を広げていく予定で「まずはお世話になった人や地元に恩返しし、人を笑顔にする活動をしていきたい」と意気込んでいた。

 個展は午前9時~午後5時15分(26日は午後4時まで)。入場無料。

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