闇サイトで薬物輸入、借金抱える21歳 空港で阻止…弁護士「返済手段に過ぎず、本人は薬物見てもいない」

さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 営利目的でコカインや覚醒剤を輸入したとして、麻薬取締法違反、覚醒剤取締法違反などの罪に問われた、春日部消防署の元消防士で会社員の男(21)=杉戸町高野台東2丁目=の裁判員裁判の論告求刑公判が21日、さいたま地裁(金子大作裁判長)で開かれ、検察側は懲役6年と罰金100万円を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求め結審した。判決は24日。

 論告で検察側は、約260万円の借金返済のため、闇サイトの「ダークウェブ」を使用し、追跡困難な暗号資産を用いてコカインなどを購入したとして「一定の準備行為をし、積極的に犯行に及んでいる」と悪質性を指摘した。

 弁護側は、借金返済の手段に過ぎず「(被告は)違法薬物を使用したことも、見たこともない」と主張した。

 起訴状などによると、男は氏名不詳者と共謀し、営利目的で昨年4月上旬、オランダからコカイン約10.16グラムと覚醒剤約25.96グラムを隠し入れた郵便物を自宅宛てに発送。輸入したが、空港の検査場で職員に発見され、目的を達成できなかったとされる。

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