発生予測できなかった 那須雪崩事故訴訟、教諭側が争う姿勢

宇都宮地裁

 栃木県那須町で2017年3月、登山講習会中だった大田原高の生徒7人と教諭1人が死亡した雪崩事故を巡り、5遺族が県や県高校体育連盟(高体連)、講習会の責任者だった教諭ら3人に計約3億8500万円の損害賠償を求めた民事訴訟の第2回口頭弁論が22日、宇都宮地裁(浅岡千香子(あさおかちかこ)裁判長)で開かれた。

 3教諭側は提出した準備書面で、事故当日は大雪注意報や雪崩注意報が発令されていたが、雪崩の発生は予測できなかったとし、「予見可能性」を否定した。「雪崩発生を予見できたのに講習会を中止しなかった過失により、被災者を死亡させた」とする遺族側と争う姿勢を示した。

 県側は準備書面で、組織管理の観点から生徒に対する安全配慮義務違反を認めた。一方、死亡した引率教諭については「自身の生命身体を守るための可能性が皆無であったとはいえない」として、賠償額の認定で過失相殺することを主張した。

 第3回口頭弁論は9月21日に開かれる。

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