エバーブルーテクノロジーズ、水難救助に役立つ水上ドローン「AST-181」発表[Japan Drone 2022]

エバーブルーテクノロジーズ株式会社は、トーイング(牽引・曳航)用大型ラジコンボート「E-towing」とのコラボモデルの水上ドローン「AST-181」を発売する。 同機はE-towingを提供する株式会社ON’S COMPANYとの業務提携を行い、実現したモデル。無人で自動航行し、水難救助支援や水上伴走の用途に使用される。希望小売価格は税込396万円から。

ON’S COMPANYの提供する「E-towing V JET SYSTEM」は、陸上から航空機を引っ張る動作であるトーイングを免許不要でコントロールできる。 サーフィンや水上スポーツのレッスン、レジャーや海難救助などのレスキューを目的に作られた。 V JET SYSTEM(プロペラ内蔵型)により、利用者が安心してボートに近づくことができ、万が一船体が転覆しても瞬時に自動的に起き上がるという。SUP(スタンドアップパドルボード)や救難用浮き輪、救助用ボートなどを牽引し、水難救助にも使用できるとしている。

AST-181概要

今回発売になる「AST-181」は、自動操船ユニット「

eb-NAVIGATOR2.0」「eb-CONNECT

」E-towing コラボモデルに、トーイング用大型ラジコンボート「E-towing」に装着連動した水上ドローン。 スマホアプリから救難情報を送ると同時に、落水者の場所へ直接救命浮環を届けることで、迅速に救護活動を支援することを目的としている。

落水者がスマホアプリなどのデバイスからSOSを発信すれば、自動で浮環や救命いかだを牽引して駆けつけるため、水面に安全に待機する時間を確保し、レスキューの救助を待ったり安全な場所まで自動牽引できるという。 海水浴場や、港湾施設、釣り人が集う埠頭などの沿岸部で不意な落水があった場合などにも自動で落水者の初期救護支援を行うため、施設管理者にとっても負担が少ないという。

具体的には、専用アプリ「eb-CONNECT」からマップ上に目的地設定する操作のみで遠隔操船できるほか、「eb-CONNECT」ユーザーのあとをボートに追随させたり、呼び寄せられる。

「カムヒア機能」と呼ばれるSOS機能を使用すれば、落水者が手元のAppleWatch(Siri)に救助を呼びかけることで、落水者の元へボートを急行させる事が可能。 同機は最高速度35km/hで救命浮環や救助ゴムボートを牽引しながら自動航行し、呼び出したユーザーの手元まで近づけるという。 また、陸地などの監視者が、「eb-CONNECT」で要救助者の元へAST-181を急行させることができる。

大人1名が乗ったSUPボードや小型ゴムボートなどを牽引しての航行ができ、移動する小型舟艇から遠隔操作で伴走させたり、市販アクションカメラを取り付けて自撮りができるという。

トーイング用大型ラジコンボート「E-towing」機体スペックと機能概要

  • 形状:モノハル:セールN/A
  • 全長:1.8m
  • 全幅:0.7m
  • 全高:0.6m
  • 船体重量:57kg
  • 装備重量:90kg
  • 最高速度:35km/h
  • 巡航速度:15km/h以上(滑走時)
  • 航続距離:12km(最高速度時)
  • 最大牽引力:68kg(釣り用小型ボートのような一人乗りゴムボート程度)
  • 稼働時間:20分〜100分(使用状況による)
  • バッテリー:48V 35A
  • 推進方式:電動水流ジェット2機
  • 安全性能:
    人に危害を加えにくいプロペラ完全内蔵、突起物がない船体
    転覆しても自動復元する船体構造
  • オプション:衝突軽減フェンダー(浮き)

同社は、遭難者の迅速な水難救助活動を行うソリューションを漁業者やマリーナ、地方自治体、官公庁向けに提案していくとともに、さらなる協業パートナーを募集していく方針。

同製品は、2022年6月21日〜23日に幕張で開催される「ジャパン・ドローン2022」(ブース:5ホール No.BM-01)に出展、展示デモンストレーションされる。

▶︎エバーブルーテクノロジーズ株式会社

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