塩野義製薬のコロナ飲み薬、専門部会で承認に至らず 継続審議に

 先月創設された「緊急承認制度」を活用し、塩野義製薬が薬事承認申請した新型コロナウイルス感染症の経口治療薬(飲み薬)について22日、厚生労働省の専門部会が審議した結果、この日は承認せず継続審議になったことが分かった。

来月にも公開の場で再審議

 塩野義製薬が承認申請した新型コロナウイルスの治療薬「ゾコーバ」について、22日、薬事承認について審議する厚生労働省の専門部会が開かれた。部会では「治療の選択肢を持つのは重要」として承認に前向きな意見があった一方で、これまでの臨床試験では、体内のウイルス量を減らす効果があることは分かったものの、症状を軽減させる有意な結果が得られていないとして「さらに慎重に議論を重ねる必要がある」との意見集約がなされ、この日に承認了承とはならなかった。

 厚労省はこの結果を受け、より幅広い専門家を加え、他の分科会との合同で再度審議の場を設定する方針。議論の様子は公開される。

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