サル痘感染例、韓国で初確認 ドイツからの帰国者

 韓国の保健当局が22日午後の会見で、今年に入り欧米やアフリカなどで感染報告が相次いでいる感染症「サル痘」の感染者を国内で初めて確認したと発表した。21日にドイツから仁川空港に入国した韓国人ですでに発症しており、現在隔離治療を受けている。

空港検疫で感染判明、現在は隔離治療中

 当局が発表したところによると、感染が確認されたのは30代の韓国人1人。21日午後にドイツから 仁川空港に到着した際、検疫所で37度の発熱とのどの痛み、倦怠感を訴え、皮膚には発症を疑わせる兆候がみられたため検査したところ陽性が確認された。現在は指定医療機関に移送され、隔離治療を受けているという。

 保健当局は会見で、潜伏期間中の入国などで検疫段階で把握できなかったケースもありえるとして、「サル痘」の感染例が報告されている国を訪問し、帰国後21日以内に疑わしい症状が現れた場合は申告してほしいと呼びかけた。

 かつて世界で猛威を奮い、絶滅した感染症である天然痘とよく似た症状を呈する「サル痘」は、これまでアフリカ諸国で複数回流行したほか、アメリカでも1度流行したことがある。天然痘と比べれば重症化率、死亡率は高くなく、これまでの流行では、アメリカでは死亡者は出ていない。

 しかし今年に入り感染報告が相次いでおり、これまで欧米などを中心に2000人を超えていて、新たな流行が懸念されている。WHO(世界保健機関)は23日にも専門家の会合を開き、今回の感染の広がりが「公衆衛生上の緊急事態」にあたるかどうかを検討する。

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