ナチス式敬礼でヒトラーへの忠誠を誓う少年少女 「ファイナル アカウント 最後の証言」ポスター

8月5日より劇場公開される、2021年の放送映画批評家協会ドキュメンタリー賞で、最優秀歴史・伝記ドキュメンタリー賞・楽曲賞にノミネートされた映画「ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言」の、ポスタービジュアルが公開された。

公開されたポスタービジュアルは、当時の少年少女たちがナチス第三帝国の国旗(ハーケンクロイツ)に向かい、直立姿勢で右手を指先まで伸ばすナチス式敬礼で、ヒトラーへの忠誠を誓っている姿の写真が使用されている。そして、「ナチスドイツの子供たちが晩年を迎え語る真意とは――」のコピーに加え、「確かに残虐で恐ろしい行為が行われていた。」「目をくらまされるな!」「人間が人間をあのように扱ったなんて恥」といった、映画本編で語られた証言者たちのショッキングな言葉も切り取られている。

「ファイナル アカウント 最後の証言」は、アドルフ・ヒトラー率いるナチス支配下のドイツで“第三帝国”にかかわった市井の人々の証言と、アーカイブ映像によるドキュメンタリー映画。ナチス政権下に幼少期を過ごし、戦後長い間沈黙を守ってきた、ナチスの精神を植え付けられて育った高齢者たち。加害者側である第三帝国に参加したドイツ人やオーストラリア人の高齢者たちへのインタビューにより、ナチスへの加担や受容したことを悔いる言葉だけでなく、自己弁護や言い逃れ、ヒトラーを支持する赤裸々な本音までが記録されている。

監督・撮影を務めたのは、イギリス出身のドキュメンタリー監督であるルーク・ホランド。母がウィーンからのユダヤ人難民で、祖父母はホロコーストで殺害されたというルーツを持つホランド監督は、2000年代になり“祖父母を殺した人間を捜す”という目的でこのプロジェクトに着手したという。ホランドは2008年から10年の歳月をかけて250以上のインタビューを行い、本作完成直後の2020年6月に71歳で亡くなった。

【作品情報】
ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言
2022年8月5日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国ロードショー
配給:パルコ ユニバーサル映画
©2021 Focus Features LLC.

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